内容説明
北辺の城下町を横断するように流れている土淵川。その川沿いに両親が建てた小さな家で作者は育った。その昔、まだ小学生の作者に母は言った。「この家は弟が継ぐのだから、半分寄こせなどと言ってはいけない」と。だが、東京の大学へ進み、首都圏で就職し、大学の同級生と結婚して終の棲家も得た弟にとって、故郷の生家は無用の長物でしかない。亡母の法事の場で「駐車場くらいにしかならないな」と弟が言ったとき、作者の心は「否」と叫んでいた―。
著者等紹介
千葉由紀子[チバユキコ]
1950年3月18日弘前市生まれ。2015年3月18日エッセイ集「六枚の葉書」(北の街社)刊行。同書は2016年度日本自費出版文化賞入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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