感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
abiquiu
6
この人こんなに深く考察して書けたのに、なんで自らを天才などと云って天狗になっていたのだろう?その先の人生も見えいた筈だろうに・・・ 世間知らずなだけとも思えないが、自らの才能に溺れたとしか言いようがない。 それとも作品の人気を自分自身への支持と本気で勘違いをしていたのか。そして見誤った。 生まれた時代が早過ぎたのかもしれないね。2015/11/20
独居202
4
真の政治家になって地上の貧困を駆逐したいという夢を抱く貧しき少年の純粋な力強さに終始心を打たれた。「どんなに貧しくとも、どんな一切のものが醜悪であろうとも、またどんなにこの生が苦しかろうとも、なお希望に燃えたい」強さは創りあげるものだけではなく守っていくものなんだな。2017/04/16
シロクマとーちゃん
3
今は忘れさられた流行作家ということで興味を持った。お光、平一郎の母子と冬子の3人の不遇な主人公たち、それぞれの視点から描かれる。平穏と思われる日常に、宿敵とも言える男が突然現れる。しかし、唯一人その正体を知っているお光は口を閉ざす。と盛り上がるが、解決はお預け。続きはどれを読めばいいのか?2019/10/31
久守洋
3
島田の狷介な性格が語られることが多いようだが、この作品は悪くない。ほとんど私小説で、当時の金沢の廓の様子などは体験的な描写だろう。冗長なシーケンスもあるが、構成はしっかりしていて読みやすく、ありがちなビルドゥングスロマンからも回避している。昭和32年に吉村公三郎監督、川口浩主演で映画化されているが、いかにも大映が好きそうな題材ではある。2015/10/31
bassman_tubacca
1
天才と狂人の間。 この作家さんはすごい人生を送られていたようですね。 作品自体は鋭い心理描写等面白く読ませていただいた。 31才で亡くなられているようですので、 まともな人生を歩んでいたら、 どのような文章を綴られたのだろうか・・・ 大変興味があります。2017/02/21