内容説明
本書は、下総国から紀伊に向けて旅立った草莽の国学者宮負定雄が、その道中で遭遇した安政東海大地震の惨状を『道中記』として著した貴重な見聞録である。
目次
序
はしがき
地震道中記
地震用心録
地震用心考
宮負定雄道中図と江戸末期に起きた主な地震のデータ
宮負定雄略年譜および著書目録
感想・レビュー
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牛歩
3
安政元年(1854)陰暦11月4日(今の12月23日)。震源は東海沖、M8.4と推定される大地震が起きた。本書は、その当日、偶然旅に出て地震に遭遇した著者の見聞録。津波や火災だけでなく、堰止め湖からの土石流や液状化現象と思われる記述もあって興味深い。残念なのは、国学者平田篤胤の弟子ということもあって人々の生死を分けた理由等が、すべて神を信仰しているかどうかに帰してしまうところか。ただ、今震災でも平然と「神罰」を口にした人達が一定数いたことを考えると、人間の集団というのは容易に進歩しないと教えてくれる。2012/06/20
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