内容説明
バイオインフォマティクス(生命情報科学)とは、コンピュータによる情報解析の手法を生物学の問題に応用する学問のことを指します。本書は、基本的なプログラミングに関する知識を持ったバイオ研究者を対象に、“ロバストで再現性のある研究”のため、複雑で大規模な配列データから意味を抽出し、探索するための技術を解説します。データを処理する方法としてPython、R、Gitなどのオープンソースツールを用いるため、次世代のデータにも適用できます。三部構成となっており、第1部ではバイオインフォマティクスの根本的な考え方や学び方、第2部ではプロジェクトを始めるための基本的スキル、第3部では実践編としてツールを使ってどのようにデータを処理するかを学ぶことができます。近年、ニーズが高まりつつあるバイオ分野において不可欠なデータ処理技術のすべてがこの一冊に詰まっています。
目次
第1部 基本方針:ロバストで再現性のあるバイオインフォマティクスのためのデータスキル(バイオインフォマティクスの学習方法)
第2部 前提条件:バイオインフォマティスクプロジェクトを開始するための必須スキル(バイオインフォマティクスプロジェクトの準備と管理;Unixシェル再入門;リモートマシンで作業する;科学者のためのGit;バイオインフォマティクスのデータ)
第3部 実践:バイオインフォマティクスのデータスキル(Unixツール;R言語入門;範囲データの操作;配列データの操作;アラインメントデータの操作;シェルスクリプト作成、パイプラインの記述、タスクの並列化;TabixとSQLite:メモリを使わないアプローチ;おわりに)
著者等紹介
バッファロー,ヴィンス[バッファロー,ヴィンス] [Buffalo,Vince]
オレゴン大学のAndrew Kern教授とPeter L.Ralph教授の研究室に所属する博士研究員、専攻は進化遺伝学。博士課程(集団遺伝学)はカリフォルニア大学デービス校(UC Davis)、Graham Coop教授の研究室に所属。同校ゲノムセンターのバイオインフォマティクスコアおよび植物科学科でバイオインフォマティシャンの専門家として働いていた。10代の頃からプログラマとしての能力を大いに発揮し、ゲノムの統計解析に熱中した。仕事中、プライベートの時間を問わず、オープンソースのバイオインフォマティクスツールの開発に取り組む
片山俊明[カタヤマトシアキ]
博士(科学)。情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンター特任准教授。専門は、バイオインフォマティクス、データベース。生命科学研究を効率化するオープンソースの技術開発と標準化に取り組んでいる
川島秀一[カワシマシュウイチ]
博士(科学)。情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンター特任准教授。専門は、バイオインフォマティクス、セマンティックウェブ等。生命科学の知識を、計算機を用いて効率よく利用できる環境構築に取り組んでいる
鈴木治夫[スズキハルオ]
博士(学術)。慶應義塾大学環境情報学部准教授。専門は、バイオインフォマティクス、ゲノム微生物学。都市環境の微生物群集、薬剤耐性、可動性遺伝因子(プラスミド)の多様性に関する研究に取り組んでいる
山本泰智[ヤマモトヤスノリ]
博士(情報理工学)。情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンター准教授。専門は、テキストマイニング、セマンティックウェブ、バイオインフォマティクス。生命科学のデータをより使いやすくするために日々研究・開発に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。