内容説明
登場から半世紀を経ても賛否両論があって国際的に技術の評価が定まらない原子力。この希有の技術の問題を、人間の認知の特性から解明を試み、新機軸を開いたこれまでにない原子力の本。科学技術の創造的認知を扱った前著に続き、本書では、社会的認知を扱った。
目次
原子力の国民理解における表層流と深層流
第1部 科学技術と人文・社会科学の接点としての原子力(科学技術としての原子力の成立と挫折;原子力反対の初期的理解の形成)
第2部 欧州主要国の原子力(ドイツ社会の中の原子力;フランス社会の中の原子力;イギリス社会の中の原子力;イタリア社会の中の原子力)
第3部 原子力に対する国民理解の構造(欧州主要国での国民理解の構造;検証:中北欧諸国の原子力と国民理解;補足:国民性の歴史的文脈)
教訓:巨大科学技術と社会
著者等紹介
福澤義晴[フクザワヨシハル]
1948年生まれ。1971年、大阪大学工学部原子力工学科卒業。1978年、大阪大学大学院博士課程修了。1978年から1980年まで、西ドイツ「カールスルーエ原子力研究所(現ドイツFZK)」客員研究員。1980年より、「動力炉・核燃料開発事業団」勤務。1998年より、組織変更によって「核燃料サイクル開発機構」勤務。2005年より、組織統合によって独立行政法人「日本原子力研究開発機構」勤務。この間、1985年から1987年まで、フランス「カダラッシュ原子力研究所」に駐在し、研究開発業務に従事。また、2003年から2006年までパリに駐在し、事務所長としての日仏及び日欧の国際協力業務に従事。専門は、熱物質移動工学、原子炉安全工学、科学技術認知論など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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