内容説明
幻想と真実、過去と現在の交わるめくるめく世界が新たによみがえった。本作品は作者が死の直前まで11年に亘って書き続けてきたもので、1966年に発表され、世界中で高い評価を得たものである。
著者等紹介
ブルガーコフ,ミハイル・アファナーシエヴィチ[ブルガーコフ,ミハイルアファナーシエヴィチ][Булгаков,Михаил Афанасьевич]
1891~1940。キエフ出身。キエフ大学医学部を卒業後医師となる。『悪魔物語』『白衛軍』『犬の心臓』など作品を発表するが、スターリン体制下のソヴィエト文壇では反体制文学と位置付けられ評価を受けることがなかった
中田恭[ナカタタダシ]
1935年愛媛県生れ。早稲田大学教育学部卒業。都立高校数校に勤務。1972年夏、モスクワにてロシア語の語学研修に参加。長年に亘りICC外語学院にて、ロシア語の個人レッスンを受講(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ai
10
何が目的がいっこうに分からない悪魔の一団が、人間たちの世界を引っ掻き回し、笑って帰っていく。当時のロシア社会を風刺してもいるけど、最終的にはラブストーリーだった。2021/03/19
eirianda
9
スターリンの圧政は濃厚ファンタジーを生み出す。DVDがあるらしいので、是非観てみたい。別の翻訳版も読んでみたい。2016/03/17
yukinden
8
荒唐無稽、奇想天外という言葉がぴったりの作品。だって悪魔はどんなことでもやってのけてしまうから…支離滅裂、だけれども面白さが随所にあって、グイグイと読者を引っ張っていく(猫と鼻眼鏡が道化役!) 巨匠の書いたポンティオ・ピラト総督、ナザレのヨシュア(イエス)たちが登場する2千年前の小説(小説内小説)は、うってかわってかっちりとした描写で描かれ、挟み込まれ、やがて交錯していく… 最後の月の描写は本当に綺麗だ。(memo:悪魔は天国から地獄に落ちた時に、足をひきずるようになる!映画Rosemary's baby2011/10/21
いのふみ
5
ロシア語の正誤は分からないが、私もこの訳が一番読みやすいと思う。これだけ長いのに、最後まで全く飽きさせない、充実の読書体験だった。悪魔の一味はなぜこんなに大暴れしたんだろう。キリストの存在を示すためだけだったんだろうか。一部の勢い、豪華さに比べて、二部に入ってから失速したような気もするんだが……と、充実したとか言っておきながらなぜこんな文句を言っているのだろうかと我ながら訝るが、この物語を心底楽しんだがゆえに、オーダーが湧いてきたのだと思う。2016/12/05
mimosa
1
ウクライナ文学として知り、読了した。不思議な世界観2023/03/03