感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.Sakurai
3
上毛野氏について概説をいろいろ見ていたら面白い説を立てている人がいた.本書の筆者の関口功一さんだが,『群馬県史』の執筆章で論争を巻き起こしたという.その論文を読んでみたが確かに面白い.上毛野氏は6世紀になって屯倉管理のために派遣されてきた中央豪族の一派だった.新参者で東国の王者なんかではないとする.本書はこの説を背景にして,前半で上毛野各地の史料・資料で確認できる豪族を説明.後半では上毛野氏の実態が古墳時代から平安時代にかけて大きく変転したことを解説している.2024/05/15