目次
序章 「幽霊」と「日本の幽霊」
第1章 幽霊と妖怪(「幽霊」と「妖怪」;「幽霊」と「都市」;「幽霊」とフィクション;「幽霊」と化物;「幽霊」と「妖怪」再考;「妖怪」と水木しげる;本書に於ける「妖怪」と「幽霊」に定義)
第2章 霊の宇宙誌(「日本の幽霊」の範囲;霊魂を分類するために;霊魂チャート;幽霊の隣り)
第3章 幽霊発生装置(鏡;心霊写真;新しい幽霊発生装置;霊感)
第4章 “場”に固定化した幽霊(地縛霊と場所に固定化した幽霊;場所に国定化した幽霊の研究;「学校の怪談」における場所に固定化した幽霊;「場」に固定化した幽霊;幽霊と「他界」)
終章 幽霊論から見た霊ブーム
著者等紹介
大島清昭[オオシマキヨアキ]
1982年(昭和57年)生。2007年筑波大学大学院修士課程地域研究科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
9
図書館にて。筑波大学大学院の地域研究科の修士論文を元に書籍化したもの。現在はフィクションの領域で活躍されている。私の友人であった、故・綾守竜樹くんも地域研修士で、その後は二次元ドリームノベルスなどでエロ小説家をやっていた。大島氏とは干支が一回り違うので、面識はなかったろう。大学時代、90年代半ばの現役筑波大生にはアニメファンの類いは可視化されていなかったが、今は昔であるな。さて、積んでいた大島氏の『影踏亭の怪談』に戻ろう…2024/09/04
三柴ゆよし
9
幽霊という曖昧な存在を定義するのに、それが「可視的」であるか「不可視的」であるかという問題に焦点を当て、詳細にカテゴライズしている。そこが圧倒的に新しい。妖怪・幽霊関係の研究書を読んでいて、こんなに興奮したのは久しぶりかもしれない。自らを「妖怪馬鹿」と公言して憚らない著者の姿勢にも、同じ穴の狢として非常に好感を持った。また、これまでの妖怪・幽霊研究史に関してもツボを押さえた説明がなされているので、初心者の人がいきなり手にとっても結構すんなり読めると思う。ただ、お値段がね……。5000円の出費は痛いです。2009/06/20
mittsko
7
読みやすく大変面白く、そればかりか学術的な価値も高い、という稀有な一冊 本書が、民俗学ベースの修士論文(地域研究、筑波大学)が元だというから驚く、優秀すぎる…( ゚Д゚) 先行研究の読解と整理に(修論らしく?)がっつり紙幅が割かれている この作業を通じて示される、学説史上の広い目配りと明確な論点 その記述もきわめてクリア めっちゃ勉強になる! 著者独自の「霊魂チャート」(80頁)など、独自の学説にも大いに賛同するところ多数 これは読んでよかった2023/08/18