目次
第1章 近松門左衛門の作劇法―近松の人間観(近松の人物造型―人形浄瑠璃の持つ精神と近松の視点;『国性爺合戦』考―三段目の老母像を中心に;『国性爺合戦』試論―老母像造型の意味;『用明天皇職人鑑』における仏教の救済;近世演劇と『曾我物語』―近松の曾我物に見られる作劇法をめぐって)
第2章 近松没後の竹本座と豊竹座の作劇法―伝承の解釈と時事の取入れ(『工藤左衛門富士日記』小考―「鶴殺し」と吉宗による幕府放鷹制度の復活をめぐって;『大仏殿万代石楚』考―浄瑠璃における景清像の到達点)
第3章 文耕堂の作劇法―奇抜な発想と歴史へのまなざし(『ひらかな盛衰記』論―勇士としての救済と鎮魂;『ひらかな盛衰記』序切の意義―木曾義仲の解釈をめぐって;時代浄瑠璃における歴史解釈―木曾義仲の造型をめぐって;『御所桜堀川夜討』考―文耕堂の素材解釈の独自性;浄瑠璃作者文耕堂の特色―『三浦大助紅梅〓(たずな)』を中心に)
第4章 最盛期浄瑠璃の作劇法―先行作品の解釈と趣向の充実(合作期浄瑠璃が見出した「卿の君」―頼朝・義経の不和をめぐって;朱の鳥居・玉垣と義経・狐忠信―『義経千本桜』と伏見稲荷;『仮名手本忠臣蔵』における刃傷事件脚色の方法―“小栗”から“太平記”へ)
第5章 近松半二とその後の展開―個の発見(『役行者大峰桜』考―「逆転」の局面の作品構造における意味づけ;近松半二の描いた「文禄・慶長の役」―『山城の国畜生塚』『天竺徳兵衛郷鏡』をめぐって;「夕顔棚」とさつき―『絵本太功記』十段目の読み)
著者等紹介
黒石陽子[クロイシヨウコ]
東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程国語教育専攻修了。東京学芸大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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