ぼくの脳を返して―ロボトミー手術に翻弄されたある少年の物語

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 399p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784872904444
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0036

内容説明

「私の名はハワード・ダリー。一九六〇年、一二歳のときにロボトミー手術を受けた」―ごく普通のやんちゃな少年だったハワードは、養母によって“悪魔の手術”ロボトミーを受けさせられた。彼が五四歳になったとき、医学界の恥ずべき歴史の一ページを暴き出すことになる。本書は家族に捨てられ、一〇代を精神病院、二〇代を拘置所、三〇代を酒場で過ごした男の力強くも感動的な生き様を描いた、生存者の物語。

目次

母ジューン
養母ルー
エッジウッド七六二番地
悶着
フリーマン博士
ハワード・ダリ(父ロドニー・L)
マイ・ロボトミー
無邪気な子ども
精神病院
ランチョ・リンダ
再入院
ホームレス
バーバラ

文書保管所
ブロードキャスト

著者等紹介

ダリー,ハワード[ダリー,ハワード][Dully,Howard]
カリフォルニア州サンノゼ在住のバスの運転手。『ぼくの脳を返して』で出版デビュー

フレミング,チャールズ[フレミング,チャールズ][Fleming,Charles]
ニューズウィーク誌の元特派員でバニティフェア誌のコラムニスト。数々のベストセラー・ノンフィクションの執筆を手がける。ロサンゼルス在住

平林祥[ヒラバヤシショウ]
上智短期大学英語科卒。企業翻訳を経て英米翻訳家

苫米地英人[トマベチヒデト]
1959年東京都生まれ。脳機能学者・計算言語学者・分析哲学者・認知心理学者。カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)、同コンサルタント、実業家。上智大学外国語学部英語学科卒業。2年間の三菱地所勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学。人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。その後、コンピューター科学の分野で世界最高峰であるカーネギーメロン大学大学院に転入。計算言語学の博士号を取得(日本人初)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

亜希

34
統合失調症やうつ病に効果があるという触れ込みで行われたロボトミー手術。その内容は眼窩からアイスピックを脳に挿し入れ当てずっぽうで前頭葉を切断するという、とても医療とは思えないものだった。ノンフィクションに面白いかどうかの優劣をつけるのはお門違いかもしれませんが、少し退屈な内容でした。確かに手術を受けた当の本人が語る話は貴重だけど、私はハワード自身の生い立ちには正直あまり興味がなく、ロボトミーとは実際なんぞや、後遺症はどのようなものがあるのか等をもっと知りたかったな。十四章からラストまでは興味深かったです。2016/07/20

33
ある小説でロボトミーが出てきたので、もっと詳しく知りたくて。12歳少年が受けたロボトミー手術。こんな恐ろしい非人間的な手術が存在していたのが、案外そんなに昔ではなく、この少年がちょうど母と同世代なのに驚く。育てにくい子供だったとは思うが決して精神障害児ではなく、やんちゃな男の子だっただけである。ロボトミーの被害者というよりも、継母の虐待被害者だと思った。きっとロボトミーを受けてなくても、継母からの仕打ちによって、似たような境遇になった気がする。やたらと女好きだったのは、やはり母の愛を欲していたからだろう。2016/01/06

たらお

20
脳機能学者の苫米地英人氏の解説で話の全容はほぼ掴めるかと。ロボトミー手術の被害者である著者の生い立ちや環境を知りたいなら残りのページをどうぞといったところ。前頭葉は感情を司る脳と言われていますが、統合失調症の治療として、眼窩からアイスピックを前頭葉に差し込みかき回すという施術が50年前にされていたことに驚かされます。ロボトミー手術を扱った「カッコーの巣の上で」のジャック・ニコルソンは大人しくなるというより廃人になっていました。12才という成長過程だったからこそ機能を修復、補完できたことにも驚かされました。2016/12/04

がらは℃

11
ロボトミー出術を受け奇跡的に生き延び、数奇な運命を辿ったハワードの自伝。過酷な運命を乗り越え、遠回りはしたが最後には幸せを得て行った彼の人生に大いに感動をした。自分自身の幸せを手に入れただけではなく、他のロボトーミ出術を受けた過去を持つ人々の希望にもなり、そしてロボトミー出術を強制させたフリーマン/両親も被害者であると結論づけたハワードの想いにもさらなる感動を受けた。2010/01/24

誰かのプリン

10
継母に嫌われた12歳の少年は、 正常者にもかかわらずロボトミー手術をさせられた。あのジョン.F.ケネディの妹ローズマリーを廃人にした悪名高い手術である。 現在では考えられないが、当時は、精神病 統合失調や重度の鬱病に効果的と評価され年々手術が発展?(簡素化)され此処日本でも何万人ともいえる(犠牲者?、或いは人体実験)患者が受けさせられた。 本書では本人の同意なく、両親の同意のみで手術を受けさせれ、人生を狂わされた主人公の過去を赤裸々に告白したものです。良い本でした。 もっとロボトミーに関する2016/12/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/289892
  • ご注意事項