内容説明
少女メギーの父モーは、物語の登場人物をこの世へ呼び出す魔法の声を持っていた。9年前、その声に呼びだされてしまった登場人物と引き替えに、母親が物語の世界に消えてしまった。そんな事情を知らされていないメギーは父と叔母とともに『闇の心』というおはなしから飛び出た悪者に連れ去られ、悪と立ち向かうはめに。名作がたくさん出てくる「本」をめぐる冒険ファンタジー。
著者等紹介
フンケ,コルネーリア[フンケ,コルネーリア][Funke,Cornelia]
1958年、ドイツの西部、ウェストファーレン州の町ドルステンに生まれる。ハンブルク大学で教育学を修め、卒業後、教育者としての仕事のかたわら、専門大学で本のイラストレーションを学ぶ。当初は子どもの本のイラストレーターとして出発。28歳の時からは自分で文章も書くようになり、以後フリーのイラストレーター、作家として活躍している。ドイツでもっとも著名な児童文学作家の一人であり、ウィーン児童文学賞、チューリヒ児童文学賞などこれまでに数多くの児童文学賞を受賞している。ハンブルク在住
浅見昇吾[アサミショウゴ]
慶応義塾大学文学研究科博士課程修了。ベルリン・フンボルト大学留学を経て、現在慶応義塾大学文学部講師。外国人が取得できる最高のドイツ語の資格・大ディプローム(GDS)を持つ数少ない一人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くぅ
22
なんだか最後の最後がちょっとギュウギュウというか、花火大会の終りみたいな感じで若干残念だったけど、面白かった。ボリュームたっぷりの王道ファンタジー。子供のとき、もしもこの本の世界に入ったら…とか、もしもこの登場人物が本から飛び出してきたら…とワクワクした気持ちがそのまま本になってる。楽しいというよりスリリングな展開の中身なので児童書だけど大人向けかな。この物語より後のホコリ指とフェノグリオの行方が気になる…。2015/05/31
爽
16
図書館で題名に惹かれて。新しく開拓したいな、とちょうど思っていたのでいいときにこの本を見つけた。メギー、モルティマ、エリノア。彼らは本当に本を愛しているし、大切にしている。生活と寄り添って本があり、エリノアに関しては本が全て。モルティマが本を読むとどんな感じがするのだろう。まるでそこにいるかのような感覚、味わってみたい。素敵なことなのに、代わりに何かが消えてしまうのは人生そんなに甘くない、ということなのだろうか。ホコリ指もテレサもみんな、幸せに終われるといいのに。続きも楽しみ。2012/08/19
kaizen@名古屋de朝活読書会
15
映画を見る前に読みました。読み上げたものが現実世界に現れるという不思議な声。魔法の力を必ずしも自分のために使うことができなかったモー。 モーの娘のメギーは、父親と同じ力を持つことを知らないでいた。「なんでも思う通りになるのが魔法」ではないことを、嫌と言うほど思い知らされる。親娘が、不思議な世界の中に取り込まれていってしまうのと同時に,読んでいる自分も不思議の世界の中に入り込んで行きました。2011/05/01
seraphim
14
コミュ「こんな本知りませんか?」で教えていただいた本。本の修理を生業にしている父と娘の物語。2人とも大の読書好き。そして父には、娘にも秘密にしている不思議な力があった・・・。前半は父の能力が秘密にされているので、どこがファンタジーなのか?と思いながら読んだ。後半に入り能力が明らかになると一気に物語の世界に惹きこまれた。本が好きという共通点があるからか、ファンタジーの要素がない前半部分から面白く読めた。本好きには、彼らの能力は厄介だがとても魅力的に映る。彼らのように朗読できたら、とても楽しいだろう。2014/09/17
lotta7
14
読書家の親子、12歳の少女メギーと父親のモー(本の修繕職人)の、希少本『闇の心』(インクハート)をめぐる、冒険ファンタジーです。表紙絵が凄く印象的で、(新装版とは絵が違う)各章には様々な物語の抜粋が載せてあり、本好きには堪らないでしょう。著者による挿し絵が物語を更に盛り上げます。言葉では表現出来ない“根源的な恐怖”を味わえる、心揺さぶられる小説です。ドイツの児童文学ですが、大人も楽しめるので是非どうぞ。次は『魔法の文字』です。
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