月の石

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月の石

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  • サイズ A5判/ページ数 327p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784872900439
  • NDC分類 949.63
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

127
「Tsarens Juveler」原文はノルウェー語。訳者の細井直子氏はドイツ語からの重訳であると記す。とは言え、その流暢な翻訳は全く不自然さもなく見事だ。ならば作品自体はどうかと言えば、中々よく出来ている。現実世界と浮世離れした神殿の巫女と神話。そして、ロシアのニコライ2世にまつわる7つの宝石(月の石)。ファンタジーでありながらミステリー手法も用い、収斂の仕方も頷ける。少年の思いを丹念に描きつつ大人の浅ましさを描き、児童文学としての価値も高い。ただ、前半部での4世代がランダムで描かれる手法は分かり難い。2020/03/05

春ドーナツ

16
因果の軛(くびき)から解き放たれた数多(あまた)の謎が宝石箱から飛び出して銀河を産み出しました。物語の原動力もやはり謎になるでしょう。謎が重層的に深まるというよりは、永遠に交わることがない平行線(或いは、交わるかも知れない。全ては謎に包まれている)が幾何級数的に増えているように見受けられます。個人的な好みを言えば、風呂敷をめくるめく程広げて世界を覆いつくして欲しいと思います。さて。本書の場合はどうなるのでしょうか? 謎は儚いけれど磁力を持っている。だから私たちの心に留まり続けるのだと思います。2018/06/19

星落秋風五丈原

9
 オスロに両親と住んでいるニコライ・スヴァルドは天使や巫女から直々に「あらゆるしるしがおまえがわれわれを導くと告げている」と「月の光」を甦らせるために必要な「月の石」を探すよう命じられる。早い段階で彼が“選ばれし子供”であることが明示され理由は物語が進むと共に明かされる。本作は重層的構造になっており「崩壊した家庭で暮らす少年」がテーマ。大人達を一方的に非難した作品ではないが「「欲望に囚われ大事なものを見失ってしまう不完全な大人に期待せず、自分達で解決策を見出していこう」というメッセージが感じられる。 2014/05/21

さちこ

4
世界観が広い。主人公の少年も含め、家族はみな孤独を抱えている。その孤独の原因は、自分に責任のない生まれ育った家庭環境から来ているものだったりする。ファンタジー的な要素に現代の家族の問題もしっかり描かれている作品。古今東西バラバラの世界が月の石に導かれラストで邂逅を遂げるさまは見事。ぜひ最後まで読み切ってほしい。2012/09/29

夏みかん

1
うーん、微妙。前半は場面がコロコロ変わりすぎて落ち着きがないし、登場する大人がダメ過ぎる(善人ばかりが良いわけではないけど、どちらかと言えば悪人という人ばかり)、ストーリーそのものにもあまり惹かれなかった。本当は「少年ヨアキム」は「夜の鳥」も読んでみようと思って担だけど、気が向いたらかな。2021/01/31

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