内容説明
本書は2008年、八束はじめらを中心に編集された『10+1』No.50“TOKYO METABOLISM”のその後の展開である。上記“TOKYO METABOLISM”が基本的にリサーチに終始したのに対して、本書は最後に収録されたプロジェクト「東京計画2010」に端的に収斂させられている。しかし、プロジェクトへの序論として位置づけられているとしても、テクストのいくつかは、各々の箇所でも述べられているように、八束はじめの研究室の大学院の修士論文として書かれた独立的な論考(の一部)で、この三年ほどの芝浦工業大学の八束はじめの研究室の活動の成果である。
目次
Hyper den‐City序説―反時代的都市論ノート
拡大する都市:概念の変異
香港というFRAME:空中都市の諸相
メガストラクチュア対スラムの政治学:カラカス
ヴァンクーヴァー:シティ・オブ・グラス・タワーズ
ソウル―江南の奇跡
上海―針の山と花園
モスクワ―スターリンの亡霊
軍艦島+九龍城砦
デノニマスな住空間―軍艦島調査をめぐって 阿久井喜孝氏へのインタビューから〔ほか〕
著者等紹介
八束はじめ[ヤツカハジメ]
芝浦工業大学工学部建築工学科教授。建築家。建築批評家として、『ロシア・アヴァンギャルド建築』『思想としての日本近代建築』『メタボリズム・ネクサス』など著書がある。建築作品に“白石情報センター”“文教大学”など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TAKAMI
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「理想態」のユートピアを構想するのではなく、「可能態」である超過密都市・ハイパー・デンシティを構想している。まず21世紀のメトロポリスが移民によるグローバル化、規模の大きいコンパクトな過密化が進むのは間違いない。その前提は同意できる。さらにその中で超過密の先行事例として軍艦島と九龍城のリサーチを載せているところも興味深い。更にメタボリズムの東京計画とレムのBIGNESSの概念をベースにしているところも良いと思う。ただ最後の提案だけが半分くらいしか理解できず、やはり構想というものは難しいのだなと感じた。2015/05/18
YuYu
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メタボリズム再考 今の日本を考えるために世界的事例とあわせて紹介している 2012/11/01
inhhh
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「SFプロトタイピング」なるものがありうるとしたら、それはこういうものなのだろうと思った。2023/07/17