内容説明
幕末期、天狗派と諸生派の二派に分かれて、血みどろの藩内抗争を繰り広げた水戸藩。その悲劇は、一橋慶喜を頼って京都に向った武田耕雲斎以下350名の天狗派が敦賀で処刑されたことに象徴されるが、この「天狗西上」と対をなすように、諸生派にも同様の悲劇があったことは、知るひとが少ない。市川三左衛門率いる諸生派の一部・市川勢の行軍である。王政復古によって天狗派が勝利すると、市川勢500人は水戸を脱走して、会津・新潟と転戦、再び水戸に戻り、さらに南下して、ついに八日市場で壊滅する。この231日間、1000kmに及ぶ悲劇の行軍の跡をたどる本書は、明治以来、ほとんど語り伝えられることなく、歴史の闇に消えつつあった、水戸藩のもう一つの真実に光をあてるものである。
目次
第1部 市川勢の軌跡(天狗党と諸生派;水戸脱出;会津目指す;入城拒否;会津藩士の「苦言」;鈴木石見守の処刑;新潟入り;薩摩の間者;出雲崎代官所を占拠;水戸藩間者 ほか)
第2部 写真で綴る市川勢の軌跡
-
- 電子書籍
- 社長 島耕作(4)