内容説明
明治時代における天皇の役割を、多方面から検討し天皇の政治性、皇室外交、女性天皇論議など現代の「象徴天皇制」が抱える諸問題の起源を探る!
目次
第1部 明治天皇と政治・外交(桂園時代の政治と明治天皇;対外問題・対外政策と明治天皇―日清戦後から日露戦後へ;近代日本における皇室外交儀礼の形成過程―管轄官庁の変遷を通して)
第2部 側近からみた天皇と宮廷(三条実美没後の徳大寺実則―「聖旨の伝達者」像の再検討;桂内府論)
第3部 民間における天皇・宮廷認識(「受爵」をめぐる板垣退助の言動と華族認識;大隈重信の天皇論―立憲政治との関連を中心として;明治前期における女性天皇構想の形成―憲法草案を手がかりとして)
著者等紹介
安在邦夫[アンザイクニオ]
1939年生まれ。早稲田大学名誉教授。1971年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士課程単位取得退学
真辺将之[マナベマサユキ]
1973年生まれ。早稲田大学文学学術院准教授。2003年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程満期退学。博士(文学、早稲田大学)
荒船俊太郎[アラフネシュンタロウ]
1977年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)、日本大学文理学部人文科学研究所研究員。2008年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程満期退学。博士(文学、早稲田大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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太郎
1
一章「桂園時代の政治と明治天皇」読了。 天皇が最も主体的・積極的に動いたのは人事問題であったこと、天皇が政治対立を調整する役割を担ったこと、天皇の意志で成立した軍制・官制があること、伊藤死後天皇は桂を最も信頼したことがわかった。 個人的には第一次桂内閣組閣以前の桂の動きが面白かった。2025/05/19
太郎
0
第五章 桂内府論 読了。 第三次桂内閣組閣までの流れを桂太郎内大臣兼侍従長の動きから見たもの。 桂は宮中最重要職である内大臣につき、天皇との関係も相まって、山県とも同等の権力を得た。 はじめ山県は自派勢力の拡大のために府中へ桂をおくりこんだものの、桂が成長し、いつしか山県と対抗出来るようになったのであった。 個人的には山本権兵衛を内大臣にしたい薩派の動きと桂が山県・寺内と距離をとっていたという記述が興味深かった。2025/05/24