出版社内容情報
ヘーゲル研究の第一人者による、難解な『大論理学』の全容を、詳細に考察した数少ない書籍。弁証法とは、概念と存在が自ら歩む、その道筋のことである。
本書は「存在とは何か」をテーマに、ヘーゲル『大論理学』の全体像を考察する。
はしがき
一 形而上学と弁証法
はじめに
1 純粋学
2 形而上学
3 弁証法
二 無限概念の形成
はじめに
1 水と生命:否定を欠く全体性としての無限
2 夜と死:自分自身の直接的反対としての無限
3 個物、意識、精神:極限としての無限及び真無限 54
終わりに:無限概念から推論へ
三 存在のはかなさ:有論
はじめに
1 区分論と始原論
2 有-無-成
3 質(規定性)
4 量(大いさ)
5 度
四 微分:比と極限
はじめに
1哲学的数学
2 微分の歴史
3 ヘーゲルの微分論
五 現実との和解:本質論
はじめに
1 現実への帰還
2 形而上学と弁証法
3 反省
4 現象
3 現実
六 目的論:概念論客観篇
はじめに
1 機械論
2 化学論
3 目的論
七 理念と方法:概念論理念篇
はじめに
1 理念
2 分析と綜合
3 弁証法
八 実定性と愛と死:若きヘーゲルの共同体倫理
はじめに
1 イエス像
2 実定性
3 愛
4 死
九 狂気と絶対知:ヘルダリーンとヘーゲルの別れ
はじめに
1 美、親密性
2 愛、親密性の過剰
3 犠牲、親密性の交換
4 瞬間、親密性の転移
5 時の抹殺、絶対知
あとがき
索引
海老澤善一[エビサワゼンイチ]
1945(昭和20)年8 月、生まれ。
1964(昭和39)年3 月、都立戸山高校卒。同年4 月、京都大学文学部入学。
1968(昭和43)年3 月、同哲学科(宗教学専攻)卒業。同年4 月、京都大
学大学院文学研究科入学。
1973(昭和48)年3 月、同研究科博士課程満期退学。同年4 月、愛知大学
教員となり、哲学と論理学を教え、現在に至る。
内容説明
存在するとは“傷”を負っていること、欠乏を感じることである。存在は“存在しないもの”によってこそ存在せしめられているのである。存在に住まうこの“否定的なもの”が存在を生かし動かす。ヘーゲル弁証法はこの“弁証法的なもの”の動きを描くものである。
目次
1 形而上学と弁証法
2 無限概念の形成
3 存在のはかなさ―有論
4 微分―比と極限
5 現実との和解―本質論
6 目的論―概念論客観篇
7 理念と方法―概念論理念篇
8 実定性と愛と死―若きヘーゲルの共同体倫理
9 狂気と絶対知―ヘルダリーンとヘーゲルの別れ
著者等紹介
海老澤善一[エビサワゼンイチ]
1945(昭和20)年8月、生まれ。1964(昭和39)年3月、都立戸山高校卒業。同年4月、京都大学文学部入学。1968(昭和43)年3月、同哲学科(宗教学専攻)卒業。同年4月、京都大学大学院文学研究科入学。1973(昭和48)年3月、同研究科博士課程満期退学。同年4月、愛知大学教員となり、哲学と論理学を教え、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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