内容説明
研究が手薄なイギリス道徳哲学とカント実践哲学の関係の考察に挑戦。とくにヒュームとスミスの道徳哲学がカントの倫理学と人間学に影響を与えたことを解明する。カントの思想形成過程を踏まえ、カントの実践哲学の底流、隠された構造を照射。カントの従来の狭い図式的理解の修正をめざす。ホッブズの意志論、近代の意志論争にも言及。
目次
第1部 ヒュームの決定説とカントの自由意志説―自由の原因性をめぐって
第2部 ヒューム道徳感情論とカント実践哲学―感情の交流と人間観察をめぐって
第3部 スミスの道徳哲学―共感と「立場の交換」の思想
第4部 カント実践哲学に対するスミスの影響―「立場の交換」論の改作
第5部 ホッブズの行為決定論―その先駆性と限界
第6部 近代の自由意志論争
著者等紹介
高田純[タカダマコト]
1946年北海道旭川市生まれ。1970年北海道大学文学部卒業。1975年北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得。1999年文学博士(北海道大学)。現在、札幌大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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