内容説明
「コント」「壁小説」「原子小説」「四〇〇字小説」「けし粒小説」「ショートショート」エトセトラエトセトラ…すがたかたちを変え、大衆に親しまれてきた“ごく短い小説”の百年を検証する―
目次
第1部 近現代日本の掌編文学―コントを中心に(日本掌編文学史―一〇〇年の素描;「コント」と「掌編小説」の発生―一九二〇年代中期;拡散するコント―一九三〇年代を中心に;武野藤介論―「コントの神様」の執筆活動)
第2部 掌編文学とメディア―新聞から(「ニュース小説」という試み―『時事新報』と文学者;戦後の新興地方紙と掌編文学;戦後の全国紙と掌編文学―特集を中心に)
第3部 掌編文学を読む(太宰治『あさましきもの』―再帰的構造;織田作之助『実感』―掌編文学の生成;坂口安吾『復員』―凝縮された内面の劇;杉山平一『お菓子』『軌道』―ジャンルの境界;三島由紀夫『恋文』『日食』―被占領下のメディアのなかで;松本清張『「過去の女」報告書』―長編への助走;村上春樹『ことわざ』―言葉の手ざわり)
著者等紹介
斎藤理生[サイトウマサオ]
1975年生。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)(大阪大学、2004年)。2006年に群馬大学教育学部講師、2008年に同准教授。2014年より大阪大学大学院文学研究科准教授。2021年、同教授を経て、同人文学研究科教授。専攻は日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小谷野敦
2
著者から送られてきました。お礼。前半は、1920年代からの新聞などに載った掌編小説を戦後の時期まで網羅して載せていて、研究としては優れたものだが、読物としては退屈。読物としては、武野藤介を論じた箇所と、「億良伸」という作家の正体をはっきりさせていくところが面白い。しかし後半の「掌編小説を読む」になると、著者が発見したという坂口安吾の「復員」を含め、太宰、織田作、杉山平一、三島などの掌編を選んで評釈していくのだが、それらは結局単なる「作品論」の羅列になってしまい、掌編であることの必然性が感じられない2025/12/09
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