内容説明
異性愛の物語の裏に潜む、女性たちの豊かな感情世界。スクリーン上で交わされるまなざしに秘められた愛と憎しみ。六つの映画作品から、隠された同性愛的欲望や家父長制への抵抗を解き明かす。
目次
序章 戦後文芸映画と女性たち
第一章 覆われた欲望 『お遊さま』(溝口健二監督〔一九五一〕)における姉妹
第二章 母性幻想とレズビアン感性 『挽歌』(五所平之助監督〔一九五七〕)と『女であること』(川島雄三監督〔一九五八〕)をめぐって
第三章 「家」を出る女たち 『香華』(木下恵介監督〔一九六四〕)における母娘
第四章 女を見る女のまなざし 『華岡青洲の妻』(増村保造監督〔一九六七〕)における嫁姑
第五章 女性スター共演の力学 『千羽鶴』(増村保造監督〔一九六九〕)における女同士の関係
終章 日本文芸映画における女性の欲望のあり方と女同士の絆
著者等紹介
徐玉[ジョギョク]
1993年中国遼寧省生まれ。専門は映画研究。2023年3月大阪大学大学院言語文化研究科言語文化専攻博士後期課程修了、博士(言語文化学)取得。現在、名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンター特任助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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