内容説明
本書は、2019年7月13日(土)から9月1日(日)までの間、古河歴史博物館が開催する特別展示「鎖国時代―海を渡った日本図」の解説付き図版目録である。
目次
鎖国時代 海をわたった日本図図版(江戸時代初期のヨーロッパで描かれた日本図;日本で刊行された図のヨーロッパでの翻訳・複製(~1800年)
長久保赤水「改正日本輿地路程全図」の登場
ヨーロッパの探検船による日本列島の測量
ロシアでの「改正日本輿地路程全図」の翻訳・刊行 ほか)
展示解説(江戸時代初期のヨーロッパで描かれた日本図;日本で刊行された図のヨーロッパでの翻訳・複製(~1800年)
長久保赤水「改正日本輿地路程全図」の登場
ヨーロッパの探検船による日本列島の測量
ロシアでの「改正日本輿地路程全図」の翻訳・刊行 ほか)
コラム「長久保赤水の日本図と伊能忠敬の日本図」
展示資料目録
感想・レビュー
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月をみるもの
15
古河歴史博物館での特別展「鎖国時代 海を渡った日本図」( https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/lifetop/soshiki/rekihaku/tenji/11108.html )の収録 。江戸時代の地図、、と言われると反射的に伊能図を思い浮かべてしまうわけだが、それ以前は国内外ともに、長久保赤水の地図の影響が圧倒的だった。北海道からカムチャッカが、まさに地球と言う惑星の最後のフロンティアだった(除く南極)ことが実感される。2019/10/05
坂津
1
茨城県の古河歴史博物館で行われた展覧会「鎖国時代 海を渡った日本図」のパンフレット。海外に影響を与えた日本図の変遷を辿る構成になっている。長久保赤水の「改正日本輿地路程全図」が果たした役割を重視し、伊能忠敬の日本図の重要性を限定的に捉える視点は、本書の筆頭編集者・小林茂の思想が窺えて興味深い。長久保赤水の地図は、これまでの日本図(行基図や石川流宣の絵図)よりも日本列島の形が正確な点が注目されやすいが、豊富な地名の記載も特筆すべき点であり、海外での受容に際して地名の音訳に苦労を伴った経緯が理解できた。2024/07/05