内容説明
「前段の司法」―紛争の解決は、法専門家によるものだけではなく、時に非法専門家によって柔軟に調停されていた―。近代日本を軸に、古代ローマ、中世・近現代ヨーロッパ、そして現代中国における前段の司法の「機能」に着目する。
目次
序章 明治期日本の地域社会における「前段の司法」とその担い手の多様性―本書の視点
第1章 近代日本における無資格者による法廷代理とその終焉
第2章 明治期における刑事弁護―治罪法導入前後の状況
第3章 共和政末期・元首政初期ローマにおける法的サービスの周辺―法学者・弁論家の活動と知的背景を中心に
第4章 中世ボローニャと「公証人術の書」―ロランディーノ・パッサッジェーリ研究序論
第5章 フランス革命前後の公証人制度
第6章 ドイツ公証制度史にみる需要と法専門家性―ハンブルクにおける公証制度の近代化を中心に
第7章 在野法曹と非弁護士の間―オーストリア司法省文書にみる公的代理業
第8章 中国の法的サービス供給における基層法的サービス従事者の機能とその需要の背景―弁護士との比較から(一九八〇~二〇一七年)
著者等紹介
三阪佳弘[ミサカヨシヒロ]
大阪大学大学院高等司法研究科教授。専門は、日本近代法史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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