内容説明
ゴジラはついに星になった(ゴジラ座、2018)。なぜ半世紀以上も日米で愛されているのか。ゴジラを愛してやまない日米の6人の研究者がその問いに挑む。
目次
第1章 ゴジラと歴史
第2章 ゴジラとタイムズスクエア
第3章 ゴジラ映画に見るアメリカ人の心情―『怪獣王ゴジラ』から『モスラ対ゴジラ』まで
第4章 モンスター・ビジネス―宣伝・配給・上映 Godzilla,King of the Monsters!の歴史
第5章 ゴジラと日本映画産業
第6章 西欧のためのモンスター?それとも日本のもの?―大怪獣の「アイデンティティ」をめぐる映画制作者の視点
第7章 ゴジラと科学神話
第8章 子供時代は戻らない―アメリカのゴジラファンとノスタルジアのイデオロギー作用
著者等紹介
池田淑子[イケダヨシコ]
立命館大学国際関係学部教授。専門は記号学、カルチュラルスタディーズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
63
日米の研究者によるゴジラ研究書だ。横書きのいかにも研究書らしい。今まであまり知ることのなかった、「ゴジラ」が、いかに「怪獣王ゴジラ」となって、どう公開され、どのように受け止められたかの記述もある。日本映画らしさを消し去ることで公開されたようだ。「ゴジラ対ヘドラ」あたりまでの分析だが、映画ビジネス、核への意識の変化、日米の文化の違い、国際的な政治状況、男女間の問題まで、論議は展開する。様々な分析が面白いが、それにもまして、アメリカの人々のゴジラへの熱狂を知ることが出来て嬉しい限りである。2019/07/13
けんとまん1007
20
ゴジラ。特別な存在。時代とともに、課せられた期待が違うのが、わかる。あくまで、ビジネスとして、どう見られてきたがが興味深い。それと、両国の文化の違いも。2019/06/23
ゆかり
3
海外でも人気のあるゴジラシリーズだが、かつてアメリカで上映された「怪獣王ゴジラ」は反戦、反核、米国批判の描写が改変され、アメリカ人の観客に受け入れやすいものに作り替えられていた歴史がある。2022/01/08
Oltmk
3
アメリカ人スタッフ達による初代ゴジラが「怪獣王ゴジラ」に改変されたのは、アメリカ国内での検閲や工業地帯を風景するようにしたのはアメリカ国内で普遍性を打ち出すため、ハリウッド映画での先住民族などへの差別的な見方がモスラ対ゴジラで引き継がれたなど大変面白かった。本書ではいかにしてゴジラはアメリカ受け入れられるために改変されたのか、どのようにして日本とアメリカで受容されたのかを描いており、読みやすい文章でもあるためゴジラファンにとっては必読の書。2019/08/05
Pio
1
初っぱなに、『市民ケーン』との比較が出てきて、「作品」の生命力について思いがはせる。 確かに、「当時」の状況含め「封印」されたものの違いはあるが、甦るものの今の「意味」が面白い。2019/07/25
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