暗闇への探究―循環する闇と光の心理臨床学的研究

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  • サイズ A5判/ページ数 327p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784872595727
  • NDC分類 146
  • Cコード C3011

内容説明

光は闇の最奥に灯る。自閉症の心理療法、箱庭による調査、物語の解釈を通じて暗闇のダイナミズムを明らかにし、光の生成過程を描き出す、新しい心理臨床学的論考。

目次

第1章 暗闇へ
第2章 私たちは暗闇をいかに体験するか?
第3章 暗闇を見る「私」
第4章 暗闇の暴力と「『私』の喪失」
第5章 暗闇への参入
第6章 暗闇の変容と光の生成
終章 暗闇の心理学
補章 暗闇の解放

著者紹介

竹中菜苗[タケナカナナエ]
京都大学大学院教育学研究科博士課程研究指導認定退学。京都大学博士(教育学)。臨床心理士。専門は臨床心理学、心理療法。2007年~2010年、京都大学大学院教育学研究科JSPS助教。現在、大阪大学保健センター助教、大阪大学大学院人間科学研究科助教(兼任)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報

箱庭調査、自閉症児の心理療法、物語解釈、カウンセリング事例を通じて、「暗闇」とは何なのかを心理臨床学的に探究する。「暗闇」とは何なのか。存在するはずなのに見たことのないもの、あるいは、実際そこには存在しないはずなのに体験したような気がするものへの問いに端を発した探究が、箱庭での調査、自閉症児の心理療法、カウンセリング事例、「アモールとプシケー」の物語解釈、哲学思想史からの議論を通じて展開される。思索的検討から臨床事例の分析、さらに物語の解釈にまで広がるアプローチは、心理臨床学の新たな手法として異彩を放つ。

はじめに  



第一章 暗闇へ

一.創造神話が語る暗闇  

二.暗闇の内側へ  

三.黒から白への変容?錬金術的思考法  



第二章 私たちは暗闇をいかに体験するか?

一.暗闇の特徴  

(一)暗闇における知覚  

(二)「暗闇」の位相  

(三)「暗闇」の様相  

(四)「暗闇」の無限性  

(五)暗闇に内在する対立  



二.暗闇体験に関する調査  

(一)「私」の暗闇体験  

(二)投影の場としての暗闇  

(三)本研究の立場および調査の目的  

(四)暗闇体験についての感想の収集?予備調査  

(五)暗闇体験の分析?本調査  

(六)暗闇と「私」  



三.暗闇が「私」に及ぼすもの  

(一)「『私』が見えない」という体験  

(二)境界の消滅 



第三章 暗闇を見る「私」

一.思春期と暗闇  

二.事例提示  

三.検討? 「貞子の夢」を中心に  

(一)映画「リング」の概要  

(二)夢の解釈  



四.検討? 描き出される貞子と暗闇  

(一)「貞子」の現れるところ  

(二)「暗闇」を描くこと  



五.暗闇における「私」という意識  

(一)「見る」主体としての「私」への固執  

(二)暗闇との隔たり  



六.暗闇への参入を阻むもの  



第四章 暗闇の暴力と「『私』の喪失」

一.「私」という認識  

二.暗闇による「私」の略奪  

(一)「私」の喪失  

(二)暗闇の暴力性  

三.暗闇への参入  

四.箱庭を用いた調査に見る「『私』の喪失」と暗闇への参入  

(一)調査の概要(竹中(二〇〇六)より)  

(二)箱庭を用いた調査によって「『私』の喪失」を捉えようとしたことの妥当性  

(三)ミニチュアの略奪という暴力  

(四)残されたミニチュアの痕跡  

(五)痕跡の内側への融解  



五.調査状況において生起する「『私』の喪失」の限界  

(一)「『私』の喪失」は誰によって、いかに語られるのか  

(二)暗闇からの隔たり  



第五章 暗闇への参入

一.自閉症を捉える視点  

(一)自閉症の「発見」  

(二)認知心理学的アプローチの隆盛  

(三)「自閉症」概念の拡大  

(四)自閉症の「心理学」  



二.自閉症と暗闇  

(一)主体のあり方への着目  

(二)自閉症児の「主体」  

(三)自閉症という暗闇  

(四)「静止する暗闇」  



三.事例検討  

(一)事例の概要  

(二)暗闇の充満とその外側  

(三)暗闇に現れる区別  

(四)「他者」の取り込み  

(五)静止状態の維持に向けるエネルギー  

(六)静止した暗闇への沈滞  

(七)暗闇の内側にはじける閃光  



四.暗闇の観点から見る「自閉症」  

(一)「静止する暗闇」を破る力  

(二)暗闇に生じる衝突と自閉症児の主体の生成  

おわりに 光の集積としての主体  



第六章 暗闇の変容と光の生成

一.自閉症の心理療法における「主体」の問題  

(一)自閉症の心理療法の「前提」  

(二)心理療法における「主体」  

(三)ユングの転移論にみる心理療法の「主体」  



二.暗闇の観点から見る自閉症の心理療法  

(一)セラピストの「私」の融解と凝縮  

(二)自閉症の心理療法における「枠」  



三.自閉症への関わりの批判的検討  

(一)啓蒙時代の自閉症への関わり「アヴェロンの野生児」から  

(二)療育的関わりTEACCHを中心に  

(三)発達心理学的アプローチ  

(四)「静止する暗闇」の心理療法  



四.事例検討  

(一)事例の概要  

(二)幽霊の棲む暗闇  

(三)暗闇への融解  

(四)静止する暗闇  

(五)暗闇における衝突  



五.暗闇に内在する対立と光の生成  

(一)暗闇における「言葉」  

(二)暗闇に生成する光  

(三)セラピストの思考の介入  



おわりに暗闇の心理療法の最終目標  



終章 暗闇の心理学  

一.暗闇の論理  



二.暗闇を知ろうとする意識  

(一)暗闇からの入場拒否  

(二)知りたがる「白」から湧き出す「黒」  

(三)暗闇の生成  



三.暗闇を知りつつ知らない意識へ  

(一)暗闇を入れるレトルト  

(二)暗闇の内にいながら外に立つこと  

おわりに 暗闇への探究に出口は存在するのか?  



補章 暗闇の解放

一.物語の解釈  

(一)「アモールとプシケー」  

(二)物語の主体  

(三)アニマとアニムス  



二.対立する同一物  

(一)プシケーとアフロディテ  

(二)エロス  

(三)プシケーに内在する分裂  



三.暗闇における融合と分離への動き  

(一)融合的な暗闇への下降  

(二)暗闇の「外」を作り出す姉  

(三)暗闇に生じる緊張  

(四)プシケーとは何者なのか?  



四.暗闇の位相の変化  

(一)暗闇に灯る光  

(二)プシケーの灯した光は暗闇を引き裂いたのか?  

(三)暗闇を抱えるプシケー  



五.プシケーに媒介される暗闇の旅  

(一)アフロディテとプシケーの結合  

(二)冥界への下降 ――四つの課題が導く先  



六.暗闇の解放  

(一)ペルセポネー  

(二)暗闇の「封じ込め」と「解放」  

おわりに  



注  

あとがき  



添付資料  

文献一覧  

索引 

竹中菜苗[タケナカナナエ]
竹中菜苗
京都大学大学院教育学研究科博士課程研究指導認定退学。京都大学博士(教育学)。臨床心理士。専門は臨床心理学、心理療法。2007年?2010年、京都大学大学院教育学研究科JSPS助教。現在、大阪大学保健センター助教、大阪大学大学院人間科学研究科助教(兼任)。共著『発達障害への心理療法的アプローチ』(創元社、2010年)、論文 “The realization of absolute beauty: an interpretation of the fairytale Snow White.”、“Psychological marriage seen in a Japanese fairytale ‘The Story of Aoyagi’.” など。