レジリエント・ヘルスケア―複雑適応システムを制御する

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レジリエント・ヘルスケア―複雑適応システムを制御する

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  • サイズ A5判/ページ数 350p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784872595352
  • NDC分類 498.12
  • Cコード C3047

内容説明

これまで、医療安全向上には「失敗の原因を特定し、それに対策をほどこすことによって失敗をなくす」というアプローチがとられてきた。失敗には特定の原因があると考えられてきたからだ。しかし、この伝統的なアプローチが成果をあげているとは言い難い。この閉塞感の打破が期待されるのがレジリエンス・エンジニアリングである。成功も失敗もその起源は同じであり、「うまくいっていることに着目し、事故の発生を待つことなく先行的に対応し、うまくいくことを増やす」というアプローチがその鍵となる。本書ではこのアプローチを医療に応用するための理論と手法を解説する。

目次

第1部 複数利害関係者と多重システムの複合体としてのヘルスケア(ヘルスケアをレジリエントにするために:Safety‐1からSafety‐2へ;レジリエンス、第2の物語、および患者安全の進歩;ヘルスケアにおけるレジリエンスと安全;結ばれるか決別か ほか)
第2部 レジリエンスが個人、グループ、組織の中で占める位置(集中治療室におけるレジリエンス:ジュネーブ大学病院の事例;社会技術環境における熟達化、柔軟性、レジリエンスの調査:ロボット手術に関するケーススタディ;規制とヘルスケアのレジリエンスを調和させる ほか)
第3部 レジリエント・ヘルスケアの特性と実践例(レジリエンスと成功を切り離して考える;患者安全における適応行動と標準化;患者のエンパワーメント促進とヘルスケアシステムのレジリエンス向上のためのPROMsの活用 ほか)

著者等紹介

中島和江[ナカジマカズエ]
大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部部長・病院教授、医学博士。神戸女子薬科大学、大阪大学医学部、フルブライト奨学生としてハーバード公衆衛生大学院修士課程卒業。大阪大学医学部附属病院第二内科、市立豊中病院内科、ハーバードリスクマネジメントファンデーション損失予防部等を経て、2007年より現職。これまでに大阪大学医学部(医学科および保健学科)・歯学部・薬学部、東京大学、弘前大学、兵庫医科大学、兵庫医療大学、神戸薬科大学等で医療安全に関する教鞭をとる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Yasutaka Nishimoto

1
いままで私達は事故があればインシデントレポートを書き、それをもとに原因を探り、対策を立ててきた。そのレポートは100%書いたわけではなく、対策も100%立てたわけではない。それでは意味がないのではないか?こんなことにアップアップしていていいのか?という疑問は常日頃からあった。そんな欝々した感じを取り払ってくれそうなのが、レジリエントヘルスケア。新しい医療安全の認識の仕方を提示してくれている本書は、ホルナゲルが「Safety‐1 & Safety‐2」でも明らかにしてくれている。まずは雰囲気をつかんでみた。2016/12/08

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