内容説明
「演出」「復活上演」「戯曲」を巡り、能という演劇の、詩的な思索的世界と様式的な美的世界を望見する。
目次
第1部 能の演出と演式を歩く(青墓の長は“朝長”の後場まで残っていた;“卒都婆小町”“柏崎”“松風”の物着は本来の演出にあらざるべし;“安宅”“船弁慶”の判官と“海人”の房前などは本来は子方の役にあらず ほか)
第2部 復曲を歩く(能の復活上演の実際と課題―筆者の「復曲」参画体験から;古演出による“自然居士”上演の経緯と意義;“花筺”復原覚書 ほか)
第3部 戯曲としての能を歩く(源氏物の夢幻能ではなぜ物語中の人物が亡霊として登場するのか;「主題」からみた源氏物の能概観;“卒都婆小町”の「ソトワ」と“老松”の「タイウ」 ほか)
著者等紹介
天野文雄[アマノフミオ]
大阪大学大学院文学研究科教授(芸術学講座)。昭和21年、東京都八王子市生まれ。早稲田大学第一法学部卒業後、国学院大学文学部学士入学。同大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(法政大学)。上田女子短期大学助教授、大阪大学文学部助教授、同教授を経て現職。専門は能楽研究で、著書に、『翁猿楽研究』(平成7年、和泉書院。第18回観世寿夫記念法政大学能楽賞)、『能苑逍遥(上)世阿弥を歩く』(平成21年、大阪大学出版会。第5回木村重信民族藝術学会賞、第40回日本演劇学会河竹賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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