出版社内容情報
内田千鶴子[ウチダチヅコ]
著・文・その他
内容説明
彗星のごとく現われ、わずか一〇カ月で一四〇枚以上の役者絵などを残した写楽だが、「なぜ忽然と姿を消したのか?」の謎はいまだ解かれていない。版元・蔦屋重三郎との関係、時代背景などから浮上してきた浮世絵師・豊国との壮絶な闘いとは…。写楽研究の第一人者が、新たな「写楽の謎」に挑み徹底検証。
目次
第1部 写楽の生きた時代(蔦屋重三郎が惚れ込んだ男;時代は田沼から松平の倹約政治へ;身代半減の処断を受けた重三郎;大評判になった歌麿の美人画だが;宿敵・豊国のデビュー)
第2部 写楽を追う―どうしても写楽に会いたい(写楽に魅せられた義父の手紙;写楽はいったい何者か?;ケンブリッジ大学に渡った写楽の真実;写楽を捜せ)
第3部 蔦屋重三郎が見出した男 写楽はこんな絵師だった―出端から引込みまで(本命の絵師が見つからない;五月興行始まる;強調した役者の顔の欠点;どうしても必要だった南畝の力;この大首絵には魔物が憑いている;曽我祭を契機に厳しくなった官憲の目;能舞台で培われたデザイン感覚;能衣裳の手法を生かす;弾圧の標的になった「心中物」;名優の死も商売に;一一月の顔見世興行始まる;豊国と役者絵で勝負;それでも写楽に賭けた重三郎;訣別のとき)
著者等紹介
内田千鶴子[ウチダチズコ]
1966年、早稲田大学第一法学部卒業。1976年、映画監督内田吐夢の次男有作氏と結婚。1979年、写楽研究を始める。1983年、「歴史と人物」(中央公論社)に「写楽=能役者説の新資料」を発表。1993年、『写楽・考』(三一書房)を刊行、大反響を呼ぶ。その他の著書に『写楽失踪事件』『写楽』『能役者・写楽』など。また、「写楽=能役者・斎藤十郎兵衛」説を確立させた著者の功績は大きく、現在は、講演活動に追われている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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