感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
11
美術史家であった著者による銀座の地誌で、昭和6年刊本の復刻。当時の印刷技術の限界から、ボンヤリとした写真が幾葉か挿入されている。冒頭は大震災を機に輸入文化の憧憬対象がフランスから米国に変わった事を銀座を題材として述べ、更に銀ブラをする階層分けや、銀ブラ女性の口の開き具合を統計で示す。今和次郎の考現学の影響が見られる。終盤漸く銀貨鋳造地としての銀座の濫觴から明治大火による煉瓦街の成立や発展等が述べられるが、中程の多くカフェの女給や客の動態等に話題が偏る。送り仮名やカタカナ語の表記がまだ確立せず、読みづらい。2025/02/20