内容説明
2002年12月韓国大統領選における、盧武鉉候補の劇的な逆転勝利。そこには、以前には見られなかった動きが存在した。形勢不利だった進歩的な候補を支持する若者達の声が、インターネットを通じ、全国をかけめぐったのである。この時最も大きな影響力を持ったのが、本書著者の主宰するインターネット新聞、『オーマイニュース』である。同サイトは、その後も韓国世論を動かしていくことになる。従来の一方的なニュースのあり方へのもどかしさから、2000年に記者4人で始まった『オーマイニュース』は、今では記者数45人、1日約100万ページビューを誇る。政治・社会・芸術など様々な分野から生き生きした現場の声を発信し、時にリアルタイムで動画・音声中継まで行なうこのサイトは、今では韓国の「新しいマスメディア」ともされ、“市民参加型ジャーナリズム”の稀有な成功例として、現在、アメリカ含む全世界で注目されている。本書は、『オーマイニュース』誕生から現在へ至る5年間の絶え間ざる格闘の、初の記録である。
目次
第1章 野に火を放つ(手の中のマッチ棒;市民みんなが記者 ほか)
第2章 「標準」を覆せ(インターネットだからできること;五四歳の刑事と二八歳の記者の対決 ほか)
第3章 これはネチズン革命だ(「出て行け、ハングルも読めないのか」;『オーマイニュース』は言論じゃない? ほか)
第4章 「世界の市民みんなが記者に」(小さいことは美しい?;給料の遅配はないのか ほか)
著者等紹介
呉連鎬[オヨンホ]
1964年韓国谷城郡生まれ。1988年延世大学国文科卒業後、韓国月刊誌『マル』に記者として入社し、1999年まで取材部長として勤務。その間1995年3月から1997年10月までワシントン特派員として米国に駐在。1997年に米国リージェント大学にてジャーナリズム修士号を取得。西江大学博士課程修了。2000年2月、『オーマイニュース』を創設。2005年1月現在、67人の社員と36000人の市民記者を抱えるに至る
大畑龍次[オオハタリュウジ]
1952年、北海道出身。90年に韓国に渡り、新聞、雑誌などに韓国レポートを寄稿。01年に帰国、日本語教師のかたわら朝鮮半島に関する論文、レポートなど発表している。現在東京在住
大畑正姫[オオハタマサキ]
1952年、東京都出身。90年から95年まで韓国で語学留学し、ソウル、釜山在住。その後東京で韓国・朝鮮語通訳、翻訳業。現在東京在住
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