内容説明
脚本家の折井朝子は息もつかせぬ殺人シーンを売りものにしているが、最近はどうもマンネリ気味。殺人シーンのすべてを書き直せというプロデューサーの指示に怒りを抑えてシナリオを書き直し始めた。そんな朝子の部屋に突然見知らぬ若い女性が訪れた。プロデューサーからの使いだろうと、疑いもせず部屋に招き入れた朝子だったが…。締切に追われる脚本家を襲った不可解な恐怖を描く『朝まで生殺人』他、『テレフォンカード』『プリズナー』『受験生』『奇跡の子供』『占いセット』『大里さんの本音』等、日常生活に潜む違和感、恐怖を鍵に奇妙な世界を描き出す傑作短編集。計7作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としP
19
【テレフォン・カード】ありきたりなホラーだな。/ 【プリズナー】アイディアは面白いが、昔TVで観た作品だった。/ 【朝まで生殺人】途中でオチを予想できてしまった↘︎ / 【受験生】不思議な道具を使って途中まで順風満帆にいくも、最後に落とし穴があるっていう、典型的なドラえもんパターン。/ 【奇跡の子供】結局、超能力が使える、少し気味の悪い子供ってだけ。/ 【占いセット】「痛快TV スカッとジャパン」も真っ青のスカッと具合( ^ω^ ) / 【大里さんの本音】平和主義者の少しぼーっとした大里さんが好き!2016/11/22
新天地
3
好きな話は「朝まで生殺人」で、作る側と消費する側そして消費される側への寓意が込められていて、好きな創作物に対して考えさせられる。創作物にも感謝や供養が必要なのか。小説版オリジナルの「大里さんの本音」は是非とも本家でドラマとして観てみたい内容。個人的には香川照之あたりにあの本音をぶつけるキレッキレの演技をやってほしい。他「テレフォンカード」と「プリズナー」は90年代ならではの良作だが、90年代を知らないと良く解らない話。一方嫌な話系の「奇跡の子供」と「占いセット」は今でも通用するのが何とも複雑な気分になる。2018/11/28