内容説明
勘三郎が得意としていた三十二役を、劇場で観た記憶だけに頼らず、映像をもとに斬新な視点で解析する、かつてない歌舞伎論。
目次
序説 アポロンとディオニソス―勘三郎の宿命
第1部 古典における勘三郎(世話物)
第2部 古典における勘三郎(時代物)
第3部 新歌舞伎における勘三郎
第4部 舞踊における勘三郎
第5部 勘三郎の実験歌舞伎
著者等紹介
山本吉之助[ヤマモトキチノスケ]
昭和32年2月生まれ。会社勤めの傍ら、歌舞伎・音楽などの評論活動に従事。平成13年1月より、サイト「歌舞伎素人講釈」において、インターネットを主体に評論を発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shellgai
1
「歌舞伎素人講釈」で批評をしている著者の初の書籍。以前からサイトをよく読んでたのでこの本も興味深く読んだ。特にコクーンや野田秀樹との歌舞伎を論じた「勘三郎の実験歌舞伎」の章が面白かった。NHK等の映像を基にした批評なので、映像が見たくなる。読み終わって、著者と同じく、70代になった勘三郎を見てみたかったという思いを深く感じた。単なる勘三郎評ではなく勘三郎を通じて歌舞伎そのものを論じようという本で、勘三郎を批評されるのを好まない人や歌舞伎に理屈は無用と思う人には不向きだが、歌舞伎の見方が深まる一冊だと思う。2013/12/04