内容説明
大河ドラマ「平清盛」の時代、王家の権力闘争と、禁じられた性愛の官能美を、冷徹な筆致で描く王朝絵巻。史料を基に考証を重ねた渾身の歴史小説。
著者等紹介
小谷野敦[コヤノトン]
1962年茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文学科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。元大阪大学言語文化部助教授。比較文学者、作家。2002年に『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mana
2
源平の幕開けの頃の歴史小説。白河院の即位の頃から保元の乱の結末まで。白河院の帝時代とかも扱っていて興味深かい。でも少し読みにくい。一応ストーリーに起伏はあるんだけどなんか単調。むしろあとがきのほうが面白かった。歴史小説と時代小説は全然別物だとか。日本では実在の人物を主人公にした物語が多いけど欧米ではその時代を背景に架空の人物を主人公にしていて、実在の人物を扱う場合は伝記であり歴史書であると。私の今まで読んだノンフィクションな伝記小説も海外の作品なので言われてみると納得する。日本でも歴史小説が増えてほしい。2012/06/09
kokada_jnet
2
待賢門院と白河院との関係は、デカダンスの極みというか、爛れきっている愛情関係。頼長の男色描写も延々とある。こういうデカダンス世界を小説化するには、猫猫先生はあまり向いていないという感想。 「現代人の視線」ではなく、「当時の人々の視線」でなるべく描こうという姿勢は、前衛歴史小説という趣。2012/03/04
Sista O
0
Amazon の他の本のレビュー欄で著者を知り興味をもった。待賢門院は西行の想い人で出家のきっかけとなった人と理解していたが、それは瀬戸内寂聴の説で(『白道』)、定説ではないらしい(Wikipedia)。西行はついに一度も言及されていない。タイトルから白川院と待賢門院の話がメインかと思われるが、小説と評論の混交体で書かれた「保元の乱」前史といった方が的確かも。一番よく書かれている人物は藤原頼長であった。2014/08/12
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