内容説明
1960年代から四半世紀、実験社会ユーゴスラヴィアを追跡し続けてきた著者が、その崩壊と内戦の実態を克明に分析し、人々の深層にひそむ近代合理主義の抗争性と暴力性を追究する。自主管理社会主義の崩壊から多民族戦争へ。
目次
第1章 ユーゴスラヴィアの多民族戦争
第2章 ユーゴスラヴィアの成立とその軌跡
第3章 自主管理社会主義の矛盾と終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rusty
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一・二章はユーゴ内戦が社会・経済から重層的に描きだされ秀逸。これまではセルビアの民族主義が根本的な原因とする言説を多く見てきたが、連邦軍とその家族は電気等止められ追い出された、クロアチアとセルビアの間に第二次大戦期それぞれ虐殺があったなど、単にセルビアの暴挙と見るのは誤りで、それはむしろ共産主義とビザンツの残滓をさげすむ西欧諸国の見方であると示された。三章は自主管理社会主義の労働者の声が面白い。企業を苦しめる要因として挙げられる例が、日本でもよくある内容ばかり。やはり「世界一成功した社会主義国」日本。2016/02/12
tooka
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ユーゴスラヴィア現代史に比べてこちらは近代史、特に社会主義のあり方から切り込んでおり、よりマクロ的視点にたつ。2008/08/04
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