内容説明
産まれて28年と半年で著者の体は自由を失いました。2004年7月16日朝、勤務先の保育園へと向かう途中に交通事故に遭ったのです。その事故で首の骨を折り、頚髄を損傷した著者は、体に重い障害を負いました。下半身が完全に麻痺し、車椅子で生活することを余儀なくされたのです。そして、そんな著者のお腹に2005年秋、小さな命が宿りました。お母さんになる…。2006年5月2日、娘を無事に出産しました。
目次
1章 ある日、突然の交通事故
2章 7か月間のリハビリ
3章 退院、そして未知の生活
4章 車椅子生活でも結構楽しい
5章 不自由な体に宿った命
6章 車椅子ママの子育て日記
7章 娘と肩を並べて歩くために
著者等紹介
又野亜希子[マタノアキコ]
1976年1月、埼玉県加須市に生まれる。1998年3月、短期大学専攻科修了。小学校教諭・幼稚園教諭免許取得。4月、埼玉県内の公立幼稚園に勤務。2002年3月、結婚のため退職。4月、保育士資格取得のため、再び短期大学へ入学。2004年3月、短期大学卒業。保育士資格取得。4月、群馬県内の公立保育園に勤務。2004年7月、交通事故に遭遇。頚髄損傷により、胸から下が麻痺に。手術・リハビリのため入院。2005年4月、退院。2006年5月、長女杏子(ももこ)を出産(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あけさと@ぷに
18
頸髄損傷により車椅子生活となり胸からしたの感覚と手の握力を失いながら、妊娠出産育児をがんばる女性のはなし。今まで読まなかったような本を読もうと思ったとき出会った。麻痺がある方、育児不安を抱えている方、いろいろな方の辛さや嬉しさが伝わってきた。もっと読もう。2013/11/03
mochi_u
3
体の自由を奪われた方が、絶望の淵から辛く苦しいリハビリ期間を経て、再び社会に出るまでの過程を、先に読んだ本よりもさらに具体的に知ることができました。生きているということはただそれだけで十分すぎる程に価値があり、それは支えあうことで成りたっている。自分が不幸だという考えにとらわれてしまうと、そんな当たり前のことさえ抜け落ちてしまいます。明るい方へ、今できることを精一杯に。2015/02/12
ともも
2
突然の事故により、今までの 生活が一変してしまった著者。 車椅子生活を余儀なくされた ママさんの心の葛藤が切なく なるほど伝わってきました。 自分の身体を受け入れられなかった入院、リハビリ生活を経て 退院、妊娠と出産、子育て。 強いけど、弱い部分もある。 だから人は支えなしでは生きて いけない。周りの人の愛に支えられて、自分は生かされているのだなと感じました。2016/02/07
ヤナギ
2
発想転換に勇気を頂いた。人に頼ってもいいんだと気づいた時、楽に生きられるようになったという境遇から気の持ち方で人生が180度変わる事に気づかされた。乗り越えるまで大変だったようだが、乗り越えた事で強くなった事が本から伝わってきた。子育ても行っていることに心の底から尊敬した。2013/08/09
めめ子
1
ある事情で途中までしか読めなかったのですが、かなり泣けました。 可哀想だからとかじゃなく、著者やその家族の愛が深く感動します。 事故で障害をもつと分かった時、ご主人に対して『私から離れないで』『私から逃げて』と全く異なる感情を抱く場面は、涙が止まらなかったです。 妊娠中に読んでいたので、娘さんに向けて『私をママにしてくれて有難う』という台詞はとても感激しました。 ママになる人、なった人にも読んでもらいたい作品です 2011/05/20