出版社内容情報
《内容》 海外では雑誌に投稿する際に統計処理が非常に重視されていますが、日本の雑誌も最近ではかなり統計に厳しくなりつつあります．しかし、学会ではいまだに統計処理上に誤りを多く目にします．そのような研究論文は本邦でも徐々に採用されなくなって行くでしょう．考えてみればそれは至極当然のことです．研究者たちは統計を用い、差があったとかなかったとかの結論に達しますが、その統計手法が間違っているならば、その結果の論理は成り立ちません．逆に、間違った統計を逆手にとると、差がないものに差があると結論づけることも可能なのです．今後、研究においては正しい統計手法を用い、正しく結論を導くことが求められます．いくら良い統計ソフトや統計の本にも、一番大切な「どのようなときにどのような統計を用いるのか」はあまり明記されていません．そこで本書では次のように前半・後半2つの章に分けました．前半は、データに対する正しい統計法の選択基準を簡潔かつわかりやすく解説します．どこにも掲載されているような混乱を招くと思われる難しい統計原理についてはあまり触れません．深く知りたい方のために、その点は文献を提示しましたので、そちらのほうで参照下さい．後半は、本書に付いている統計演算フォーム集ファイル(ystat2000.xls)を用いたExcelでの各種統計処理法の解説を主とした内容にまとめました． 《目次》 第1章なるほど統計学/A．汎用比較統計(いわゆる有意差検定)/1．差があるのかを比較するということ(それが統計学的に有意な差であるのか？)/2．対応がある・対応がな/3．パラメトリック・ノンパラメトリック/4．2標本の比較・3標本以上の比較/5．多重比較/B．その他の比較統計/1．観察値と理論値との比較(カイ二乗検定)/2．分散の比較/3．相関と回帰分析/C．適切な比較統計法の選択チャート/D．統計に関する基本的事項/1．代表値/2．データの性質を示すもの、分散、標準偏差、標準誤差、信頼区間、パーセンタイル/3．自由度/4．帰無仮説/5．危険率/6．過誤率/7．両側検定・片側検定/E．データマネージメント/1．対象の数/2．欠損データの考え方/a．対応があるデータでの欠損データ/b．対応がないデータでの欠損データ/c．M×nカイ二乗検定での欠損データ/d．相関での欠損データ/3．極端なデータの捨て方/4．データに合わせたグラフの作り方/a．対応のあるデータ/b．対応のないデータ/c．パラメトリックのデータ/d．ノンパラメトリックのデータ/第2章おどろきExcel統計処理/A．統計処理とExcelについて/1．Excelで統計を行うことについて/2．Excelで統計を行う上での必要なハードとソフト/B．Ystat2000.xls用の流れ/1．本書付属CD-ROMの統計ファイルystat2000.xlsを開きます/2．Ystat2000.xlsを使用します/3．データ入力後はファイル名を変えてお好きな場所に保存して下さい C．Ystat2000.xlsの全般的解説/1．統計方法の選択チャートで統計法を決定する/2．データは白いところにのみ入力する(グレーの部分はいじらないで下さい)/3．統計結果の見方/4．検体数や群数の合わせ方/a．例えば、検体数(n)を25例に増やす場合/b．例えば、検体数(n)を10例に減らす場合/c．例えば、測定群(条件)を10群(条件)に減らす場合 d．例えば、測定群(条件)を増やす場合/5．適切なファイルの保存方法/6．統計結果のプリントアウト/D．各種統計方法のシートの解説/1．Paired-t-testとWilcoxon-t-test(Pt・wilのシート)/2．Unpaired-t-testとMann-Whitney-U-test(Upt・Uのシート)/3．RepeatedMeasuresANOVAとFriedman'sχ2r-test(rANOVA・Friedのシート)/4．Non-repeatedMeasuresANOVAとKruskalWallis-H-test(nrANOVA・Hのシート)/5．カイ二乗検定(Chiのシート)/6．2×2カイ二乗検定(2×2のシート)/7．M×nカイ二乗検定(m×nのシート)/8．F-test(Fのシート)/9．相関(corrのシート)/E．統計の演算とExcelのワークシート/1．Ystat2000.xlsで行っている演算処理を見るには/2．Ystat2000.xlsで用いられているワークシート関数と演算子について/3．統計学の本に載っている計算式をワークシート上に展開する/4．試し算/F．統計数値表/1．T検定の有意点/2．Wilcoxon検定の有意点/3．Mann-Whitney検定の有意点/4．F検定およびANOVAの有意点/5．Friedman検定の有意点/6．Kruskal-Wallis検定の有意点/7．Dunnett検定の有意点/8．SNK(Student-Newman-Keuls)検定の有意点/9．カイ二乗検定の有意点/10．相関の有意点 11．スペアマン相関の有意点/
