内容説明
芭蕉は日本、水丸は世界の「ほそみち」を辿る。稀代のマルチ作家が遺した92の旅風景。
目次
国内(松江には築城名人堀尾吉晴がいた―島根県松江市;唐琴の海で、津田永忠の一文字波止を見た―岡山県瀬戸内市牛窓町;殺生関白秀次の残した近江八幡の輝き―滋賀県近江八幡市;来日したフランス人技師F.レオンス・ウェルニーは28歳だった―千葉県南房総市;足袋の町にはかつて難攻不落の名城があった―埼玉県行田市 ほか)
海外(永遠のローマはベルニーニが創った―ローマ/イタリア;ブルーウイローのこと、古代ローマ人の残したもの―バース/イギリス;チェコ人の建築家は20世紀を代表する歴史の証人を設計した―プラハ/チェコ共和国;映画の楽しみには、建築を見る楽しさもある―ニューヨーク/アメリカ;アトランタの話から、リー将軍の恰好よさ―アトランタ/アメリカ ほか)
著者等紹介
安西水丸[アンザイミズマル]
1942年東京都生まれ。イラストレーター。日本大学藝術学部美術学科卒業。電通、ADAC(N.Y.のデザイン・スタジオ)を経て、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーになる。朝日広告賞、毎日広告賞などを受賞。小説、エッセイも執筆。2014年3月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
46
ランダムに興味のある街から読み進める。安西画伯の世界の街の紀行文、イラストつき。著者は、洗練されているが、シャイで前に出ない東京人、を感じる数少なき人。街にも建造物にも歴史上の人物にも、独特の選択があって、素敵です。なぜかウンチクもうっとおしくない。本当に水のような心地良さ。物足りない方、細道なので、お許しを。(笑)2018/05/28
春ドーナツ
16
日本の旅、海外の旅のコラムが交互になっている構成が「良いなあ」と思う(二段組で文章3頁・総天然色イラスト1頁で1セット)。最初の旅だけイラストがモノクロなのは大人の事情なのですね。わかります。いろいろありますよね。さて。水丸画伯は歴史好き(ニッチが特に好き)で、「僭越ながら同好の士です」と畏まりつつ、繰り出される蘊蓄の数々に喜色満面エヘヘ読書に勤しむ。日本史には疎いので(教科書レベルの下の下)新鮮な発見が多い(読めない漢字も多い)。一例を挙げると石見銀山の最盛期の産出量は世界の三分の一に相当するそうです。2018/10/06
ophiuchi
11
今年3月に亡くなった安西水丸が建築デザイン専門誌“GA JAPAN”に連載した紀行エッセイ。建築の造詣(特に日本の城について)も深く、日本と世界のいろいろな所へ連れて行ってくれる。「今月のスケッチ」もすべて収録されていて、ほのぼのタッチのイラストがもう描かれないと思うと寂しい。2014/11/01
なにょう
9
読了のため、一生懸命に読む。地球を彼方此方思うように旅してていいな。水丸さんは旅する中で過去の人びとと対話してたり、城の縄張りに興奮したり、土産物屋にときめいたり。行って美味しいもの食べて良かった、じゃない。…歴史って大事よな。歴史を踏まえた上で見えることが色々ある。…かとおもったら、コアラは「水戸黄門」に出てくる悪代官の目つきをしている…って⁈時々面白いこと書いてある。2015/07/04
Takahide✈Yokohama
3
久々の水丸さん。軽めの文章なので気づきにくいかもしれないけれど、一歩間違えばかなりの偏屈ジジイだよねぇ。2017/04/24