感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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この巻はアドルフ・ロースである。取り上げられているのはミューラー邸(プラハ)と、モラー邸(ウィーン)の2邸である。たしかに、これらは姉妹邸といわれるくらいよく似ている。モラー邸の方が2年ほど先行するが、規模はやや小さいようだ。時代からすれば、ユーゲントシュティールと、そしてクリムトらのセセッションのすぐ後くらいだが、これら2邸は大人しくシンメトリックな調和を重んじているかのようだ。モラー邸が一層にその感が強い。ミューラー邸は室内空間に石を持ち込んでおり、まだしも斬新な感じがする。2025/01/10