内容説明
これが人生というものか。無数の蟹が蠢く神の島の聖域に、死線をさまよった若き日のインド放浪を想起し、最西端の島で、二十数年後の今も去らぬ悔恨の鋭い痛みに当惑する―世と人の移り変わり、時の重なりの中に人生の深い悲哀を漂わす、意欲的な連作短篇集。
著者等紹介
夫馬基彦[フマモトヒコ]
1943年、愛知県生まれ。小説家。早稲田大学仏文科中退。フランス・インドなど放浪後、1977年「宝塔湧出」で中央公論新人賞受賞。1987年から「緑色の渚」「金色の海」「紅葉の秋の」で3回連続芥川賞候補。現在、日本大学芸術学部文芸科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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