内容説明
あの「戦争」の意味を深く問わなければ、我々はいつまでも虚構の「平和」をむさぼり続けるしかない―日本人が戦った戦争を正視し、日本の未来に賭ける、渾身の論考。
目次
1 大東亜戦争への視角(祖国の戦争を何と呼ぶのか;『大東亜戦争肯定論』の衝迫力 ほか)
2 特攻と日本人(今、特攻隊を考える理由;「生命」の価値とは何か ほか)
3 昭和天皇と戦争(御前会議の天皇;天皇の戦争責任 ほか)
4 アジアのなかの日本(「大東亜共栄圏」とは何か;「アジアは一つ」か ほか)
著者等紹介
富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957(昭和32)年、東京に生まれる。中央大学仏文科卒。文芸評論家・関東学院大学文学部比較文化学科教授。中大在学中の1979年(21歳)、「意識の暗室―埴谷雄高と三島由紀夫」で『群像』新人賞評論部門優秀作を受賞。以後、ドストエフスキーに関する評論を発表するかたわら戦後派作家にも深い関心を寄せ、『戦後文学のアルケオロジー』(福武書店、1986年)として結実。オピニオン誌『表現者』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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脳疣沼
1
大東亜戦争を思想的に見直しその意義を説いた本。歴史的な事象を細かく追っていき、先の戦争を”正当化”すると言った本ではない。著者はアジア諸国に多大な苦難と被害を与えたことを謝罪しなければならないと説く一方で、アジア開放のための戦争としての側面にも光を当てる。それは、アジア諸国の苦難と被害を帳消しにするものではなく、正当化するためのものでもない。今では原発問題を考えれば分かるが、多大な苦難と被害を与えた原発というものを批判するのは当然のことだが、原発そのものの意義というのはそれとしてあるのである。2014/03/10
ひろくん
0
この人は原著を読んでるのか?2012/11/28