内容説明
23歳の衝撃のデビューから現在まで、常に「時代精神の体現者」として戦後史の十字路に立ちつづける人の、その発想、その価値観、その志への照射を通して、その全体像を鮮烈に提示し得た、渾身の書き下ろし。
目次
第1章 時代精神の体現者―戦後史の十字路に立ちつづける
第2章 父という「男」の肖像―「死者との対話」と父性原理
第3章 存在の光背としての海―「個」の限定と大いなるもの
第4章 孤独なる戴冠―「がまんしてやる」行動の世界
第5章 ふり向いてくれ、愛しきものよ―国連をめぐっての闘い
第6章 日本よ―来るべき世代への責任
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京に生まれる。慶応義塾大学文学部仏文科卒。同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。在学中より七年をかけ『奇妙な廃墟』を国書刊行会より1989年に上梓。第二次大戦中にナチス・ドイツと手を結び協力した七人のフランス文学者の系譜を評伝スタイルで論じたこの処女作が江藤淳氏らの推薦を受け、文壇にデビュー。以後、1992年『日本の家郷』で三島由紀夫賞を、1996年『甘美な人生』で平林たい子文学賞を受賞し、気鋭の文芸評論家として活躍するかたわら、1991年の『遙かなる日本ルネサンス』で論壇にも注目され、江藤淳亡き後の文壇・論壇の牽引者として、その言説が常に注目を集めている。現在、慶応義塾大学環境情報学部助教授
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