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内容説明
反逆の中に生の至上の美を幻視し、“美は乱調にあり”と呟いた男は、なぜ殺されたのか?独立不羈の精神で反権威・反権力の姿勢を貫き虐殺された、大正の無政府主義思想家・大杉栄。短くも激しい、その鮮烈で爽やかな生の軌跡を深い共感をこめて描き、バブル崩壊後の日本人の生き方を根源から問い質す、気魄の一書。
目次
第1章 「自我を棄脱せよ」と大杉はいった
第2章 善人が悪をなす
第3章 生命とは復讐である
第4章 思想を語るな、肉体を語れ
第5章 神に祈らず
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シガー&シュガー
9
アウトローの中に生まれ学生運動にも参加した作者が、大杉栄の生き方、なぜ彼が殺されなければならなかったかの自論を展開する一冊。最初こそ大杉の生き方に理想を見ているのかと思ったけれど、大杉を殺したのは「善人の悪行」であると結論づけてからは、国家や市民など「善きもの」とされているものへの批判が始まります。大杉栄を入り口として「自分の頭で考えて肉体で生きる」ことの苛烈さを述べ、しかしそう生きられないうちは日本は精神的後進国であると結びます。「善人の悪行」は今も社会の至る所、己の中にもあると思うとゾッとします。2016/04/25
Soma Oishi
1
かなりいい本だ。 村上春樹より素晴らしいと思う。 本を読んでいて久々に感極まって泣いた箇所があった。 金子光春の詩集を読みたくなった。 大杉栄全集がほしくなった。 この本は購入すべきかもしれない。手元に置いておきたい。文庫になっていたら即買いたい。2015/04/30