内容説明
秋田の、日本の、原風景ここに。自画・自刻・自摺の手法にこだわり、清澄で誠実な画境から生み出された鮮やかな色彩。ふるさと秋田を愛し、愛された版画家の生涯をたどる。
目次
第1章 創作版画への道
第2章 ふるさと秋田と出会い
第3章 秋田から世界へ
第4章 秋田風俗を求めて
第5章 戦後失われゆくものへ
第6章 ふるさと秋田への感謝
著者等紹介
加藤隆子[カトウタカコ]
秋田県秋田市生まれ。秋田市立赤れんが郷土館・勝平得之記念館学芸員。金沢美術工芸大学美術学科油画専攻卒業。秋田市立千秋美術館学芸員、秋田市文化振興課参事を経て、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
78
勝平得之は私の故郷秋田の版画家。中央に出ず独自に版画技術を習得し、昭和初期から生涯、秋田で作品を創り続けた。浮世絵で知られる版画は絵師、彫師、摺師の分業であるが得之は全て一人で行い、新しい版画の世界を切り開いた。題材には秋田の風俗を取上げ、そのノスタルジックな味わいと寒い雪国の景色にも拘らず暖かい雰囲気が観る者を魅了する。戦前、ブルーノタウトと出会い西欧へ、戦後はGHQ関係者により米国へ紹介された。本書は、その得之の生涯と作品を長年研究された秋田市の赤れんが郷土館・勝平得之記念館学芸員の加藤隆子氏の労作。2022/02/21