内容説明
〈大広場〉と呼ばれる草原を訪れた「僕」は、そこで出会ったキャンプ愛好家たちと穏やかな日々を過ごしていた。しかし、あとから入れ替わり立ち替わりやってくるグループに「僕」たちは次第に翻弄され、〈大広場〉の勢力の均衡が徐々に崩れてゆく…。キャンプ場の住人たちの興亡を軽妙に描いた、現代の寓話。
著者等紹介
ミルズ,マグナス[ミルズ,マグナス] [Mills,Magnus]
1954年バーミンガムに生まれ、フェンス職人やバスの運転手などの仕事をして、小説を書いた。1998年にブッカー賞最終候補に残った第一作The Restraint of Beasts(1998)はトマス・ピンチョンが激賞したと言われている。その後もコンスタントに作品を書き続けている
戸丸優作[トマルユウサク]
1980年福岡県北九州市生まれ。江戸川大学講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は英語圏文学・仏語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
33
ブッカー賞候補にしてピンチョン激賞の傑作『フェンス』の作者によるもう一つの代表作。国も時代も知れぬ現代の寓話的物語。索漠たる大平原に築かれたコミュニティで人間同士の軋轢が描かれるが、そこまで大きな動きはなく牧歌的ですらある。しかし、僅かに凶悪な暴力性を孕んでいる気配もあり。危うい均衡の上で、どこか気の抜けた登場人物同士の掛け合いを眺めている様は白昼夢のようだ。舞台も人間関係も、間違いなく何かの暗喩ではあるのだが、漠然としていて掴みがたい。英国人が読むと歴史の反映を読み取れるとか。平易だがなかなかの怪作。2026/02/08




