内容説明
気鋭の文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成、第5弾!関西の若手研究者を中心とした論考群に加え、「首なし騎士」伝説について論じた東雅夫氏によるエッセイも収録。
目次
1 吸血鬼vs.ヴァンパイア(無声映画と溢れる分身 懸賞映画小説「踊る幻影」の世界(西川貴子)
ヴァンパイアをめぐる〈皮膚〉と美醜の問題 ルスヴン、クラリモンド、カーミラ、ドラキュラを中心に(森口大地)
吸血鬼をヴァンパイアと呼ばなかった男 ラフカディオ・ハーンと血を吸う怪物たち(下楠昌哉))
2 この世のあわいの英詩の園で(死の床に横たわりて 「物」としてのジョン・ダンの生と死の身体(友田奈津子)
循環するコモンプレイス 初期近代読書文化と『妖精の女王』第一巻(円浄ゆり)
イギリス・ロマン主義とゴシック ワーズワスの『ソールズべリー平原』を中心に(金津和美))
幕間 「首なし騎士」に魅せられて(東雅夫)
3 メイク・アメリカ・ファンタスティック(女が語り始めるとき エドガー・アラン・ポーと霊との交信(池末陽子)
セアラ・オーン・ジュエットの幻想小説 哀しい怪物たちと恐ろしい人々(斎藤彩世)
ルイーザ・メイ・オルコットが描く「ミイラの呪い」(吉田朱美)
『オズの魔法使い』における虚偽と政治の可能性 日本文学との比較をとおして(山辺省太))
4 英国とアイルランドの「あなたの知らない世界」(人を撮るカメラ、人を撃つカメラ E・W・ホーナング『カメラの悪魔』(金谷益道)
寄る辺ない者たち、共闘せよ! フラン・オブライエン『第三の警官』における自転車との接続(遠藤徹)
反転する別世界 C・S・ルイスの『魔術師のおい』とスザンナ・クラークの『ピラネージ』における対照的な他者性(野田ゆり子)
曖昧になる生と死の境界線 ローラ・パーセルの『象られた闇』(諏訪暁))
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。『幻想文学』と『幽』の編集長を歴任。著作に『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第64回日本推理作家協会賞受賞)など
下楠昌哉[シモクスマサヤ]
東京都生まれ。同志社大学文学部教授・博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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