内容説明
《ベルばら》は「神風」ではなかった!?戦後から1960年代における宝塚歌劇団の挑戦的試みを追うとともに、その尽力がいかに《ベルサイユのばら》へと結実し、現在の「タカラヅカ」を形作ったかを熱誠溢れる筆致で描く。
目次
序論 なぜ「相克」なのか
第一章 一九五〇~六〇年代とはどういう時代だったのか(政治、経済、社会、文化の動向;歌舞伎界の動向と民俗芸能の隆盛;新劇と小劇場運動;日本のミュージカル)
第二章 「ベルばら以前」のタカラヅカのありよう(タカラヅカ創成期から「レビュー黄金時代」まで;「松竹歌劇団」と「日劇レビュー」;終戦後から一九五〇年代のタカラヅカ;一九六〇年代から《ベルサイユのばら》までのタカラヅカ)
第三章 「虚」と「実」の相克(タカラヅカと「ミュージカル」;菊田一夫と「ミュージカル・ロマンス」;高木史朗と「宝塚ミュージカル」;海外ミュージカルへの挑戦)
第四章 「和」と「洋」の相克(一九五〇~六〇年代のタカラヅカと日本の古典芸能;歌舞伎俳優らによる演出と反リアリズム;「日本郷土芸能研究会」の取り組み)
第五章 「ベルばらブーム」の時代に何があったのか(若手演出家の台頭と「新人会」の試み;植田紳爾と「宝塚グランド・ロマン」;柴田侑宏と「ミュージカル・ロマン」;植田紳爾と柴田侑宏、相違と類似;「ベルばらブーム」を振り返る;《ベルサイユのばら》に結実したもの)
第六章 「タカラヅカ様式」の確立(「男役」の存在とレビュー的要素;歴史を舞台にドラマを描く;「恋愛」要素の必須化;日本物ミュージカル)
結論 「相克」がもたらしたもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まやま
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半年近く積読状態だったが、ようやく読了。ベルばら前夜の歌劇団の取り組み辺りから、知ってる演目や演出家の名前が増えてきて読み進むスピードが上がった。ベルばらの演出家植田紳爾と同世代の柴田侑宏の対比が興味深い。巻末の参考文献一覧と合わせて、歌劇団のあゆみを概観するために読んでおきたい一冊。2026/06/18
スゴロク
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筆者は、タカラヅカを学問の対象ととらえ、膨大な機関誌、公演記録、関連諸資料を読み込み、タカラヅカの二つの相克を発見した。「虚と実の相克」と「和と洋の相克」である。 この本は、実は、2023年の早稲田大学文学部の博士学位論文が書籍化されたものである。あまり、前例のないことと思う。小学生以来のヅカファンであった筆者が、半世紀にわたる観察・研究・検証の後に、研究者として、日本の文化史の中に確固たる地位をタカラヅカに与えたことは画期的なことであると思う。 2025/04/06




