内容説明
どのような歌集なのか―根源的問いに挑む。他の歌集や物語との比較から、『古今和歌六帖』の配列構造と和歌表現の特質を明らかに。古代文学のありようを広く見渡して、『古今和歌六帖』を核とした文学史の見取り図を描く。
目次
序章 古今和歌六帖概説―研究史の回顧と本書の主題と意義―
第1部 古今和歌六帖の生成と享受(古今和歌六帖の万葉歌と天暦古点;古今和歌六帖と伊勢物語;古今和歌六帖の採歌資料―源順の大饗屏風歌を中心に;古今和歌六帖の物名歌―三代集時代の物名歌をめぐって;古今和歌六帖から源氏物語へ―“面影”項を中心に)
第2部 古今和歌六帖の構成(古今和歌六帖の構成と目録;雑思部の配列構造―古今和歌集恋部との比較を中心に―;四季のはじめとはての歌―古今和歌集四季部との比較を中心に;歳時部の構成―網羅性への志向;古今和歌六帖における若分類の論理―万葉集から古今和歌六帖へ)
第3部 古今和歌六帖とその時代(大伴家持の立春詠;曾禰好忠歌の表現―毎月集の序詞を中心に―;曾禰好忠の「つらね歌」;円融院子の日の御遊と和歌―御遊翌日の詠歌を中心に;述懐歌の機能と類型表現―毛詩「鶴鳴」篇をふまえた和歌を中心に;源氏物語の独り言の歌)
終章 古今和歌六帖の成立と流布
著者等紹介
田中智子[タナカトモコ]
1988年徳島県に生まれる。現在、神戸大学大学院人文学研究科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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