出版社内容情報
SF大賞受賞作家が書き下ろす宿命と反逆の大長編!
文庫書き下ろし全3巻、同日発売!
オリジナルSFアニメーション、Netflixシリーズ「ムーンライズ」の原案小説。
内容説明
全情報をAIが一元管理する時代。地球と月を繋ぐ軌道シャフトが倒壊した。資源エネルギーを巡る両者の戦火が激化する中、二人の青年は過去と未来へ想いを馳せる。過酷な月に生まれ、月革命軍の一員として独立を目指すフィル。亡き父の名をかたる月指導者スカイラムとの対面へ旅立つジャック。二人の出自に秘められた、世界の謎を解く戦いが始まる!壮大なスケールで描かれる宿命と反逆の大長編。文庫書き下ろし/全3冊。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で第1回角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
24
2025年5月TO文庫刊。書き下ろし3作の内の1作目。ジャックと豆の木、愚か者のフィル、それ行け,アバドーン号、ムーン・チェーンズ、ジャニーマン、の5章。地球と月の闘争。出だしはジャックのいる地球側の技術が凄いなと思ったのだが、読み進むとフィルがいる月側が勝っているのではないだろうか。月側は、シードと呼ばれる12種の何かを持っているからなぁ。いやここまででも驚きの展開があったので、そう単純な話ではないだろう。わくわくする展開だ。2作目へ。2025/07/28
coldsurgeon
10
すべての情報をAIが一元管理する時代。開拓され植民地化された月と、月からの始原を貪る地球の民たちの戦いが始まった。それぞれのkeymanとなる二人の青年の過去と未来が交錯し、物語が進行する。Netflixでのアニメーションの原案小説らしいが、なんかワクワクする展開である。ハードSFらしいマテリアル群は、頭の中に描くだけで、楽しい。これぞSF、妄想からの狂乱。2025/06/10
へ~ジック
8
月社会の地球からの独立戦争を背景に青年二人のjourneyが始まる。第一部はまだ現在から過去を振り返るJournalのようなもの。地球から来たジャックは革命の指導者にして己の父の名を名乗る男に会えるのか。月のフィルはなぜ尊敬した男を止めねばならないと考えるようになったのか。先が気になる。2025/05/18
イツキ
7
独自の設定が多く主に一巻はそれと過去に何があったかの説明に終始していた印象でしたが、それでも十分に面白い作品です。Netflixのアニメの原案でキャラデザはハガレンの荒川弘とのことで明らかにこれはハガレンのオマージュでは?というシーンもありそちらも楽しめました。続きも読みつつアニメの方も観ていきたいところです。2025/06/14
ぶうたん
6
少々厚めの全3巻の1巻目。月の独立戦争と言うとSFとしてはありきたりなネタのように思うが、細かい設定が凝っていて読み応えがある。会話主体でもなくちょっととっつきにくい感じはあるものの、重厚さの裏返しと思えば気にならない。先へと読ませるドライブ感は足りないような気もするが、まだ物語は序盤で盛り上がりはこれからなのだろう。先日の大雨でちょっと濡れてしまったのが悲しい。2025/07/15