出版社内容情報
天界の神々、文武に長けた皇帝、社交界の貴公子から、ハリウッド映画の女優まで、名誉と栄光を欲しいがまま生きた者たちは、なぜにかくも見捨てられ、忘れられ、悲惨な終末を遂げるのか。
文学、演劇、映画を横断し、人間存在の本質に宿る〈零落〉を論じる長編エッセイ。
『磨滅の賦』、『愚行の賦』に続く三部作、ここに完結!
*
「零落とは単なる道徳的堕落でも、政治的転向でもない。棄教後の隠遁でもなければ、蓄財を失って絶望に打ちひしがれることでもない。社交界から追放され、忘れられた存在になるだけでは、まだ充分に零落したとはいえない。零落とはこうした個々の苦境のすべてを超えた厄難であり、他人の目には識別されこそすれ、けっして余人には理解されることのない実存的状況である」
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【目次】
天上人間
神々の流竄
不死という劫罰
わが隣人 シャルリュス
世紀末の貴公子たち
メリエスとキートン
ルイス・ブルックスの転落と復活
能の鎮魂
貴種流離
残菊大輪
隠岐、黒海
参考・引用文献
後記 乱
【目次】
天上人間
神々の流竄
不死という劫罰
わが隣人 シャルリュス
世紀末の貴公子たち
メリエスとキートン
ルイス・ブルックスの転落と復活
能の鎮魂
貴種流離
残菊大輪
隠岐、黒海
参考・引用文献
後記 乱