降りていこう

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784867930618
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

〈あんたの武器はあんた自身〉母さんは言った。あたしの武器はあたしだ。



奴隷の境遇に生まれた少女は、祖母から、そして母から伝えられた知識と勇気を胸に、自由を目指す――。40歳の若さで全米図書賞を二度受賞した、アメリカ現代文学最重要の作家が新境地を開く、二度目の受賞後初の長篇小説!



 悲しみが霧雨になって降り注ぐ。スカートに指をこすりつけ、しだいに長くなってくる影のなかで地面に膝をつきながら、わが身の境遇につくづく驚かずにはいられない。この天涯孤独ぶりはどうだろう。こんなところで腰の片方には命を、もう片方には死を持ち歩いているなんて。

「どっち?」あたしは宙に向かって問いかける。「どっちを与えるべき?」夕暮れのなかを漂っていく自分の声を聞いて、少しだけ孤独がやわらぐ。

 この同じ空のどこかで、あたしのミツバチたちも飛び回っているに違いない。(…)

 この同じ空のどこかで、サフィも息を吸って吐いているに違いない。

「サフィ」あたしは尋ねる。「どっち?」(本書より)

内容説明

奴隷の境遇に生まれた少女は、祖母から、そして母から伝えられた知識と勇気を胸に、自由を目指す―。40歳の若さで全米図書賞を二度受賞した、アメリカ現代文学最重要の作家が新境地を開く、二度目の受賞後初の長篇小説!

著者等紹介

ウォード,ジェスミン[ウォード,ジェスミン] [Ward,Jesmyn]
ミシガン大学ファインアーツ修士課程修了。マッカーサー天才賞、ステグナー・フェローシップ、ジョン・アンド・レネイ・グリシャム・ライターズ・レジデンシー、ストラウス・リヴィング・プライズ、の各奨学金を獲得、および2022年米国議会図書館アメリカ・フィクション賞を受賞。『骨を引き上げろ(Salvage the Bones)』(2011年)と『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え(Sing,Unburied,Sing)』(2017年)の全米図書賞受賞により、同賞を2度にわたり受賞した初の女性作家となる。現在はルイジアナ州テュレーン大学創作科にて教鞭を執る

石川由美子[イシカワユミコ]
琉球大学文学科英文学専攻課程修了。通信会社に入社後、フェロー・アカデミーにて翻訳を学び、フリーランス翻訳者として独立。ロマンス小説をはじめ、「ヴォーグニッポン」、「ナショナルジオグラフィック」、学術論文、実務文書など、多方面の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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天の川

52
これまでの作品が現代のアメリカ南部の黒人たちの物語だったのに対し、本作の舞台は1800年代初頭。母が雇い主に強姦されて生まれた少女アニス。雇い主は娘である少女に目をつけるし、意に沿わなければ売り飛ばす。南部の白人男にとって血を分けた子どもという範疇に奴隷は入らない。奴隷女に子を産ますのは家畜の交配と同義でおぞましい。農場での労働も然り。白人にとって奴隷は家畜であって人間ではない。母は娘に戦うことを教え、祖母から受け継いだ象牙の武器を託す。それは実戦で使うのではなく、何事にも負けない心を持つための武器。→2025/02/25

セロリ

35
19世紀のアメリカ南部を舞台に、奴隷制という残忍なシステムに取り込まれた黒人女性アニスの軌跡。アニスの父は、母をレイプして孕ませた屋敷の主人だ。アニスの母の母は、西アフリカから連れてこられたアザ母さん。つまりアニスは3世代目になる。空腹のまま働き、ときに残忍な仕打ちを受けるその様子に言葉もない。生死をかけた日々の中で、精霊たちと言葉を交わすアニス。しかしアニスはその精霊を信じない。これは精霊に助けられてハッピーエンドになる物語ではない。精霊の要求に屈することなくひとりで生きる自由を求めるアニスなのである。2025/01/17

5
今のアメリカのBLM運動 の根底には、本書で語られるような黒人奴隷のあまりにも過酷な歴史があるのだろう 文字通り家畜のように扱われつつも愛情と希望を失わない主人公は、どのように生きていくのだろう 中途半端さが際立つ精霊よ、助けてやれ2025/01/23

takao

3
ふむ2024/12/21

uchiyama

2
「永遠に捧げ続ける生から自由になるために」。選択されたこの主題が帯びる歴史の重さについては何も言えないけれど、恐らく、この「感動的な」アプローチの仕方では不充分だとは感じました。声を奪われた人たちの声を書くことの難しさ。でも誰しもが、たとえばクライストみたいな天才じゃないんだから、試みには敬意を持ちました。面白かった、で終わってしまいそうなのが残念。2025/03/03

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