出版社内容情報
満洲に生まれ育ったラトヴィア人が描く
グローバルな満洲史
ハルビンは十九世紀末の建都以来、およそ半世紀の間に、目まぐるしく支配者を替え、それとともに様々な民族が出入りし、多民族のるつぼが描き出す町の絵柄も変わっていった。そのすべてをハルビンに生きて自ら経験したからこそ、カッタイスは自分の上に「一〇の国旗」がはためくのを目撃するという歴史の稀有の証人になったのだった。(沼野充義)
満洲と呼ばれた、二度と繰り返されることのない地球のすばらしい一郭に運命に引き寄せられた中国人、ロシア人、日本人、朝鮮人、ユダヤ人、タタール人、ポーランド人、そしてラトヴィア人とが、寄り添うように生きた日々を書いたにすぎない。……下世話な話ばかりで真面目さに欠けると言われるなら、それも仕方があるまい、フランス語ならケセラセラと言うところだ。世界の波に揺られる人間の営みは、万事ろくでもない勘違いかもしれないのだから。(カッタイス「あとがきにかえて」より)
内容説明
満洲に生まれ育ったラトヴィア人が描くグローバルな満洲史。
目次
第一の旗 ブヘドゥ
ハルビンへ
第二の旗の下
第三の旗
第四と第五の旗
第六と第七の旗
いざ進学
働きだす
清水学長の追放
日本の降伏
早くも第八の旗、ソ連軍にて
東洋経済学部
人生九番目の旗
著者等紹介
カッタイス,エドガルス[カッタイス,エドガルス] [Katajs,Edgars]
1923‐2019。日本語と中国語の通訳翻訳者、日本と中国についての専門家。ラトヴィアにおける日本語教育の草分け的な存在としてその名が知られ、「カッタイ(Kattai)先生」とした。ラトヴィア大学外国語学部の日本語コースを開講し、俳句の名訳を残したグナ・エグリーテ、村上春樹作品の翻訳で活躍するイングーナ・ベッチェレなど多くの日本文学研究者を輩出
黒沢歩[クロサワアユミ]
茨城県東海村出身。1993年、日本語教師としてラトヴィアのリガの日本語学校へ。1994年、日本語を教える傍ら、ラトヴィア大学文学部でラトヴィア文学を学び始める。ラトヴィア文学修士。2000年に開設された在ラトヴィア日本国大使館勤務、ラトヴィア大学現代言語学部日本語講師を経て、ラトヴィア語通訳・翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
林芳
linbose