ブルターニュの歌

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ブルターニュの歌

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  • サイズ 46判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784867930205
  • NDC分類 954
  • Cコード C0097

出版社内容情報

毎年家族で夏の数カ月間を過ごした、思い出の地ブルターニュ。

水のにおい、水の色、古城での祭り、土地の人々との交流……。

そして、戦時下に生を享け、戦争と共に五年を過ごしたニース。

母と祖母の庇護、兄との川での水浴、まばゆい日々の記憶……。

ノーベル文学賞作家が初めて語る幼少年時代。



 そこは私の誕生の地ではなく、一九四八年から五四年まで毎年夏の何カ月かを過ごしたにすぎないが、どこよりもたくさんの感動と思い出をもたらしてくれた土地である。(…)われわれはブルトン人であり、どれほど時を遡っても、こうした見えない堅固な糸でぼくらはこの土地に結ばれているという考えとともに私は成長したからだ。

(「ブルターニュの歌」より)



 私の心をかき乱すのはおそらく、歴史のこの部分だ。それは、戦争とは子供を殺すものであることを理解させる。戦時中に生まれた者は、真に子供でいることができない。(…)武器を運搬する子供は子供ではなくなる。その子は人生の別の年代に属することになる、別の時代に入ってしまったのだ、粗暴で、獰猛で、仮借ない時代に。大人の時代である。

(「子供と戦争」より)

内容説明

毎年家族で夏の数カ月間を過ごした、思い出の地ブルターニュ。水のにおい、水の色、古城での祭り、土地の人々との交流…。そして、戦時下に生を享け、戦争と共に五年を過ごしたニース。母と祖母の庇護、兄との川での水浴、まばゆい日々の記憶…。ノーベル文学賞作家が初めて語る幼少年時代。

目次

ブルターニュの歌
子供と戦争

著者等紹介

ル・クレジオ,J.M.G.[ルクレジオ,J.M.G.] [Le Cl´ezio,Jean‐Marie Gustave]
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。2008年、ノーベル文学賞受賞

中地義和[ナカジヨシカズ]
1952年、和歌山県生まれ。東京大学教養学科卒業。パリ第三大学博士。東京大学名誉教授。専攻はフランス近現代文学、とくに詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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たま

61
1940年生まれのル・クレジオが48~54年に夏を過ごしたブルターニュ(「ブルターニュの歌」)、40~45年を過ごしたニースと山間の村ロックビリエール(「子供と戦争」)の思い出を描く。ブルターニュの方は当時の風俗が細かく記され面白い。飲料水は村に1か所の共同ポンプとか、よろずやが売る上に座れるほど固いパンとゲル状のジャム、お城の夏祭り、ブルターニュのミサ(ケルト系の聖人たち)とニースのミサの違い等々。フランスとかカトリックとかの用語で一括りにできない、干渉を排し同化を拒む不羈独立の地域性。2024/05/24

燃えつきた棒

36
図書館の新着コーナーで見つけた本。 未読だし、なんとなく軽そうなので借りてきた。 緑色の地に小さな白い貝殻をあしらった美しい表紙だ。 幼少期を描いた自伝的エッセイ「ブルターニュの歌」と「子供と戦争」の二篇が収録されている。 作家の幼少期を描いたエッセイは、「子供と戦争」(0歳〜五歳)、『アフリカのひと』(七歳〜八歳)、「ブルターニュの歌」(八歳〜十四歳)と描き分けられている。 ◯ 「ブルターニュの歌」: ル・クレジオの先祖は十八世紀末、フランス革命期にブルターニュ地方からモーリシャス島に移住した。→2024/09/27

かふ

21
ル・クレジオの幼少期(戦争)もの中編二作。それが個人の戦争の思い出あり、幼少期が重なっているので、それが繭の中(おばあさんのスカートの中という『ブリキの太鼓』的な)の読みようによっては明るい懐かしさのようなものがあるのだが、その記憶が一発の爆弾で吹っ飛んでしまう。その書き方が過去の戦争ものではなく、現在も続いている戦争文学という気がする。ル・クレジオがトラウマから窓からものを叫び声を上げながら投げ捨てる破壊衝動とか『ブリキの太鼓』のオスカルのものだった。2024/06/22

かもめ通信

20
1940年生まれの著者が、80歳を目前にして執筆したという本書には、幼少期の思い出を綴った自伝的エッセイ2篇が収録されている。表題作『ブルターニュの歌』を読んで胸に詰まるのは郷愁だけではなかったし、『子どもと戦争』に描き出される底知れぬ空腹をはじめ、断片的に、けれども繰り返し語られる「記憶」が、戦争の悲惨さを告発し、今なお世界のあちこちに、恐怖と飢えに苦しんでいる幼い子どもたちがいることを読み手に思い起こさせもする。2024/07/29

たかっさ

5
『ブルターニュの歌』:1950年代、筆者が幼少期を過ごした、まだブルトン語が話され、漁師や農民が昔ながらの生活をしていたブルターニュ。日本でいえば、まだトトロがいた頃か。なんとも羨ましい世界も、戦後成長期であっという間に姿を消した。安易なノスタルジーを忌避しているにもかかわらず、読み手のこちらは勝手にノスタルジーに浸ってしまう。『戦争と子供』:5歳までのWWⅡの記憶。幼児だった故に、他人から聞いた話が取り込まれた偽記憶だろうとしつつも、今日の戦火の下の子どもたちに思いを重ねる2024/10/27

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